著者 岡島 成行


 自然体験活動推進協議会(CONE)では指導者育成事業を展開しているが、この5月で登録者は全国で15,000人を越えた。
 先日、東京農業大学でCONE指導者養成講座の初回の講義をした。修了者はCONEの指導者資格と2単位が取得できる。学校側では20人か30人程度の参加者と考えていたらしいが、教室に行ってみると学生があふれかえっていた。100人用の教室に入りきらず、大きな教室に変更した。最終的には学生は500人を超えていた。90分の授業で私語はまったくなく、みんな真剣に聞いていた。

 同じようなことがこの4月に大妻女子大学でも起こっていた。私が担任をしているライフデザイン学科の学生に、群馬県の国立赤城青年の家での2泊3日のCONEリーダー研修を呼びかけたところ、学科の学生120人のうち50人が参加したのだ。

 こちらは学校の単位にはならない自由参加である。これに先立ち、児童学科で2単位になるCONEリーダー研修(9月実施)を企画し、募集したが、半数以上の70人が参加を希望している。また、教職関係の授業で、CONEリーダーの研修希望を募ったら、50人以上が応募してきた。

 こうした動きを見ていると、学生や若い人たちは、大人たちの判断とは違って、実は自然の中で遊んでみたいのではないか。参加するチャンスが少なかったのだろう、と思う。
 ならばなおのこと、CONEのような存在が意味を増してくるはずだ。来年にはどれほどの人がリーダーになっているか、楽しみである。



■バックナンバー
自然体験の夜明け
自然体験活動のすすめ
自然体験に追い風が吹いてきた
幼児と自然体験
若者たち
私の原風景
シャワークライミング
思い出の黄金色のトンネル
ジャック・モイヤーさんのこと
ジャック・モイヤーさんを悼んで
環境教育推進法が動き出す
NGOから見た環境教育推進法
冬山
都市と農山漁村の交流を考える

■著者紹介

岡島 成行(おかじま しげゆき)
環境ジャーナリスト、大妻女子大学ライフデザイン学科教授教授、(社)日本環境教育フォーラム専務理事、自然体験活動推進協議会代表理事 など。
1944年1月 横浜市生れ。上智大学山岳部OB
読売新聞解説部次長をへて現職。 
主な役職:国土交通省・社会資本整備審議会委員林野庁・林政審議会委員・環境省・中央環境保全審議会臨時委員。環境省・政策評価委員会検討員。文部科学省・中央教育審議会臨時委員など。
著書:「アメリカの環境保護運動」(岩波新書、90年)、「レモンジュースの雨」(共著、築地書館、90年)、「Only One Earth」(桐原書店、91年)、「Green Issues」(桐原書店、93)「はじめてのシエラの夏」(翻訳・ジョン・ミューア著、宝島社、93年)
「地球救出作戦」(翻訳・チルドレン・オブ・ザ・ワールド著、小学館、94年)
「林野庁解体論」(洋泉社、97年)「Echoes of the Environment」(鶴見書房、99年)
「自然学校をつくろう」(山と溪谷社、2001年)など多数。