■花より団子、芽吹きより山菜
色とりどりの春の花々が散り始めると、いよいよ本格的に芽吹きのシーズン到来です。芽吹きの季節は、眺めるだけでも気持ちのいいものですが、同時に食べる楽しみもあります。そう、山菜摘みです。山菜といえば、ワラビ、ゼンマイ、フキノトウ、ウドなどのシダ類や草花が思い浮かびますが、樹木ではなんと言っても「タラの芽」が王様です。
タラの芽は、ウコギ科の落葉低木「タラノキ」の芽のことで、山野の日当たりのよい場所に生えます。よく見かけるものは高さ1~2mぐらい、大きいものでもせいぜい4mぐらいです。「山菜の王様」と言うぐらいだから、さぞかし貴重な木だろう、と思われる方もいるかも知れませんが、生育力旺盛で丈夫な木で、雑草のような存在の木です。よって、タラの芽を採りすぎて絶滅してしまう、なんて心配はまずないと考えてよいでしょう。ただエチケットとして、1本の木のすべての芽を摘んでしまうようなことはせず、いくつかの芽は残しておきましょう。そうしないと、さすがのタラノキも生育力が落ちてしまい、来年の芽吹く量が減ってしまいます。
■美味しいものにはトゲがある!?
タラノキはどうやって見分ければよいのでしょう? もう説明しなくてもご存じの方も多いと思いますが、タラノキは木全体にトゲが多いのが特徴です。幹もトゲだらけですが、葉にもトゲがたくさんあります。若葉の頃はまだ軟らかくて瑞々しいので、山菜として食べることができるのです。この葉が夏になって大きくなると、トゲも硬く鋭くなって、近づくのも厄介な木になります。ところで、
Q.このトゲは何のためにあるのでしょうか?
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美味しそうなタラの芽。

高さ4mあるタラノキの幹。 トゲはほとんどない。
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