![]() ![]() ![]() ~ 春編1「サクラ」 ~ 著者 林 将之
■一年で一番難しい季節
春は、芽吹きの季節であると同時に、たくさんの花が咲く季節でもあります。葉と花が同時に開く樹木もあれば、葉より先に花を咲かす木、葉を開いた後に花を咲かす木もあります。これらの木々が芽吹くところをよく観察してみると、花だけが出る芽、葉だけが出る芽、花と葉が出る芽があることが分かると思います。これをそれぞれ花芽(はなめ、かが)、葉芽(ようが)、混芽(こんが)と呼び、樹木の種類によってどのタイプの芽を持つかが決まっています。例えば、早春に花と葉を同時に開くニワトコは、混芽と葉芽の2つを持っています。一方で、花だけを早々と咲かすウメは、花芽と葉芽の2つを持っており、花芽だけを先に開くというわけです。 ふつうは花芽(広義で混芽も含む)の方が葉芽よりも大きいので、冬の間でもこれらを区別できる種類も多くあります。
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