- 第3回 -著者 小日向 孝夫


「こんなカップヌードルがほしい」
 8月23日~25日は北アルプスの笠ガ岳2898m。8月28日~9月1日は燕岳2762m~槍ガ岳3180mの、通称表銀座コースの2ヶ所を、立て続けに登山教室で十数名のパーティに同行して登ってきた。
 笠ガ岳の笠新道は、麓から山頂まで標高差1800m。燕岳への合戦尾根は標高差1300mもあり、北アルプス3大急登のうちのひとつである。もうひとつは烏帽子岳のブナ立尾根。
 当然夏の暑い盛りに急登なので、大汗をかくことは必然。塩分不足はバテたり、足の痙攣の原因になるので、これらの登山では日清の「とんこつしお味」を持参した。
 笠ガ岳では小雨の中、小屋に着いてレインンウェアを脱ぐと、早速アツアツのカップメンをいただいた。その後、霧の中を頂上へ向かったが、塩味の利いたラーメンのおかげで、元気に頂上を踏むことができた。

 表銀座縦走は5日連続で晴天に恵まれた。ちょうど中間点にある西岳2758mの西岳ヒュッテ広場で、槍・穂高の豪快な山々を見ながら、やはりアツアツのカップヌードルをいただいた。
 できることなら、毎回昼食にはカップヌードルを食べたいのだが、今のパッケージでは一度に何個も持って行けないのが私の悩みである。せいぜい1つか2つがいいところなのだ。日清さん、四角いパッケージはできませんか?そうすれば、ザックの中に入れやすいし、壊れにくいと思うのですが…。いかがでしょうか。
 焼きソバのパッケージを少しいじれば、なんとかなるのではないかというのは、素人の思いつきですが・・・。そんなものができれば、私のような「山頂でラーメン派」はもとより、全国の登山者やハイカーから大拍手で迎えられると思います。さらに、できれば四角の角は丸みを持たせてくれたら、言うことはありません。箸をぴたりと内蔵していただけると、いっそう良いわけです。但し、焼きソバは駄目。油味のついた湯を捨てなければならないので、自然にとっては良くないからです。また自然保護のためにパッケージには麺はもとより、汁はすべて飲み干してくださいと、印刷されてはいかがでしょうか。山頂でラーメン派の密かなお願いでした。

 さて、という訳で「とんこつしお味」のおかげで、大変美味しく、そして楽しい二つの登山を終えることができました。
 次回は、アメリカのワイオミング・イエローストーンと、グランティトンで「山頂でラーメン」をやってみたいと思います。
 何味にしようかな、迷ってしまいます。



■バックナンバー
カップ麺は山で食べるのが一番美味い(1)
カップ麺は山で食べるのが一番美味い(2)
カップ麺は山で食べるのが一番美味い(3)
カップ麺は山で食べるのが一番美味い(4)
カップ麺は山で食べるのが一番美味い(5)
カップ麺は山で食べるのが一番美味い(6)

■著者紹介

小日向 孝夫(こひなた たかお)
1949年生まれ
(株)山と溪谷社に入社ののち、「OUTDOOR」編集部、「SKIER」編集長などを経て、現在事業部に在籍。取材などを目的にパタゴニア、ネパールヒマラヤ、ヨーロッパアルプス、ニュージーランドなどを歩く。厳冬期の谷川岳で数々の登攀記録をもつ。趣味は山登り、ヨットなど。海洋記者クラブ幹事。