![]() ![]() ![]() - 第6回 - 著者 椹木 喜雄
『中型カメラあれこれ(意外に簡単な)“趣味のカメラ”』 ![]() <デジタルカメラ> 1.基本的は、一眼レフのフィルムカメラを使います。(ビューカメラにもつけることが出来ます。)フィルムホルダーが交換できるタイプのカメラで、フィルムホルダーの部分をデジタルパックに交換します。デジタル部分を別に購入しますので、中型サイズのデジタルカメラそのものは現在ありません。 2.デジタルパックに対応しているカメラをお持ちの方は、今までのカメラやレンズの資産が生かせます。ですが、フィルムサイズよりもデジタルの受光素子が、小さなものが多く、フィルムカメラと同じようには使えません。 3.スタジオ撮影を目的にしているものが多く、直接パソコンにつないで撮影するといったことをすると、使い勝手がいいものが多いので、野外撮影をするには、大量のバッテリーや記録メディアなど必要となり、アウトドアにはあまり向きません。 4.非常に細密な表現が出来ますので、うまく利用すれば、すばらしい写真が撮れます。 5.専門的にはマルチショットといって、一回シャッターを押しただけでは、写らないものもあります。(当然、動くものは撮影出来ません。)画質に関しては、別格になります。 6.現在非常に高価です、単品で150万円から400万円台位します。 7.値段が下がり、使いやすさが向上すれば、風景写真で大活躍する可能性があります。それほどに高画質なのです。日進月歩のデジタルカメラですから近い将来期待がもてます。筆者も期待している一人です。 8.撮影したその場で、画像の確認が出来ます。 9.画素数が大きいので大伸ばしのプリントや印刷に適しています。1600万画素~4000万画素くらいです。 <フィルムカメラ> 1.長年作られてきた完成度があります。あまりモデルチェンジしませんので、気長に使えます。一眼レフタイプからレジファインダー、二眼レフなど、種類が豊富で、フィルムサイズも6×4.5から6×17のパノラマサイズまであり、カメラによってさまざまなサイズのものがあります。35ミリカメラのように36×24ミリのような比率ではなく、正方形の画像や、パノラマサイズなど自分に合った比率のカメラを選べます。 2.高性能のフィルムが生かせる能力を持っています。厳密な撮影をこなすことによってすばらしい映像が作れます。(好みのフィルムが選べます。) 3.デジタルカメラのように、撮ったその場で、写真の出来具合を確認できません。 4.一眼レフタイプは、モータードライブやファンダーなど拡張できるものがあり、用途によってスタイルを変えることが出来ます。(拡張しすぎると重くなります。) 5.基本的にオートフォーカスカメラは少ないですが、(6×4.5のみオートフォーカスカメラが存在します。)ファインダーが大きいのでピントが合わせやすく、年配の方でも使いやすいと思われます。(右左逆に見えるものがあります。) 6.フィルムサイズが大きいため高画質で、出来上がったフィルムも鑑賞しやすい大きさです、わざわざルーペでのぞく必要がないくらいに見やすいのです。 7.基本的に小型で安価なレンズはありません。レンズも大きく重いのですが、欲張らなければ、35ミリカメラのシステムよりも以外と軽量に組めます。35ミリカメラが高性能に寄りかかったものが多いためです。これは、野外撮影には有効です。 8.近年、35ミリデジタルカメラが、普及してきたこともあり、フィルム撮影は、中型カメラにする人が増えています。 9.一眼レフタイプは、ミラーショックが大きいので、しっかりとホールディングしたり、三脚を使わないとぶれた写真になりがちです。 ミラーショックとは、ファインダーに光を送り込む鏡が動く時の振動です。それを動かしてフィルムに感光させるのです。この鏡が大きいため、動くときのショックが大きくなります。 10.35ミリカメラのように機能的な進歩が遅いですし、その機能を付けると大変高価なカメラになりがちです。 11.フィルムは、カメラ店なら容易に手に入ります。 12.現像してからのフィルム管理には、高温多湿の場所を避けなければなりません。フィルムサイズが大きく保管をするのは大変ですが、その分、喜びも多いものです。 13.フィルムパッケージのゴミが、発生しますので、ゴミ管理をお忘れなく。 <総合的にみると・・・> 1.いろいろとレンズなど拡張できるので、被写体に対する守備範囲が大きいです。(一眼レフタイプ)登山などには、軽量に作られているレジファインダータイプや6×4.5の小型タイプのものが考えられます。 2.重量は、そこそこありますので、専用バックが必要です。レジファインダータイプも交換レンズを欲張らなければ、リュックの中に入れることも可能です。 3.簡単に写せるオート機能もありますが、被写体にあわせて独自の使いこなしが、やりやすいカメラとなっています。夜景や望遠レンズを使うときなど三脚は必修になってきます。特にピントが35ミリよりも薄いので、必然的に低速シャッターになります。三脚は用意しましょう。(絞りやシャッター速度の関係は、カメラ専門雑誌などをご覧ください。) 4.撮ったときの充実感は格別です。 ★どんな人が中型カメラを使えばいいのでしょうか? ![]() 1.きれいな写真、自分の世界を表現したい人。 2.いろいろな写真を撮影したい人。 3.ゆっくりと撮影したい人。 4.カメラのシステムの組み方により、時間をかけて写す方法や、機動力優先に出来たりします。そのシステムを組むことが出来る人。 5.カメラが荷物の半分以上となってしまうこと覚悟出来る人。 6.印刷や大きくプリント(全紙以上)する必要がある人。 7.写真の仕上がりにこだわりがある人。 ★カメラの補助道具は、どうでしょうか? 1.ストロボも大型の外付けから、マクロ撮影用のストロボまであります。どれも撮影領域を広げるものです。 2.三脚を用意しないと、撮影が難しくなることが多いようです。 ■バックナンバー ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ■著者紹介 ![]() 1968年滋賀県生まれ。写真家。91年、京都精華大学美術学部造形学科卒業。在学中から独学で写真を学び、26歳から本格的に自然をテーマに地元の琵琶湖から撮影を始めた。自分自身も自然の一部として、感じるままを表現し自然と調和して生きることが出来たら、そこは"天国"だと思う。写真集「Winter」(光村推古書院)、がある。滋賀県草津市在住。 ホームページは、「自然写真物語」http://www8.plala.or.jp/sawaragi/ |