- 第2回 -  著者 椹木 喜雄


『コンパクトカメラ&使い捨てカメラあれこれ“遊べるカメラ“』

 扱いが楽なので、写真の面白さを簡単に味わえるのがコンパクトカメラのよいところです。コンパクトカメラには、フィルムを使うカメラとデジタルカメラがあります。フィルムを使うカメラは、カメラの機種が違っても高性能なフィルムを使うことが出来ますが、デジタルカメラは、カメラ自体の性能が、出来上がりの良し悪しにかかわってきます。画質的には、フィルムの方がいいようです。デジタルの方が、コンパクト化や便利機能に優れているようです。ですが時代の流れで変わっていくので断定は出来ません。
 いろいろと使いこなしの上での性質や特徴を書いてみました。自分に必要なカメラになるのかどうかの検討の参考にしていただければ幸いです。

<デジタルカメラ>

1.超薄型で重さが100グラムに満たなく、厚さも一センチくらいしかないようなものもあります。カメラ付携帯電話もこの部類に入ってきます。
2.デジタルカメラには、音声や簡単な動画が記録できるものもありますが、さほど性能はよくないようです。
3.ポケットにも入るくらいのカメラもあるので、メモ代わりになります。ただし、接写がやりやすいデジタルカメラの方が使いかってがいいようです。カメラ付携帯電話では、ある程度画素が必要です。
4.メールで画像を送るときに、非常にデーターとしてサイズがいいと思います。ただし、最小サイズで撮影、もしくは、サイズ調整をしたものがいいと思います。
5.記録メディアさえあれば、何度も書き換えできるので半永久的に無料で撮影できます。保存するならパソコンが必要ですが、CD-Rなどに記録してくれるサービスもありますし、プリントサービスもあります。
6.基本的に、はがきサイズくらいの印刷に適しているものが多いようです。それ以上のサイズのプリントには、無理をしてA4までと考えておきましょう。数字だけでは表せない性能の部分でもあります。
7.カメラの構造上、被写体に近づいて撮りやすいので、どこまで近づいて撮影できるのか、取扱説明書を読んでおきましょう。


<フィルムカメラ>

1.使い捨てカメラは、フィルムカメラの独占場です。きれいに写る条件は狭い(主に日中)ですが、フィルム一本分の値段と変わらない値段で売っています。
2.フィルムカメラは、安価なフィルムが多く出回っていますが、現像プリント代は必要です。
3.使いやすさを最大に生かすために、感度が400クラスのフィルムを使いましょう。
4.カメラの性格上、ネガフィルムとの相性がいいはずです。(ネガフィルムとは、一般的なフィルムで、同時プリントなどといったプリントをして鑑賞するものです。)
5.被写体としてのお勧めは、人物です。旅行先など風景もスナップ的に使うのが合っているでしょう。
6.デジタルカメラよりも、プリントの引き伸ばしがやりやすいでしょう。
7.デジタルカメラよりも安価に買うことが出来ます。
8.高性能フィルムを使うことが出来ます。
9.フィルムは、いろんな場所で容易に手に入ります。
10.現像してからのフィルム管理には、高温多湿の場所を避けなければなりません。
11.フィルムパッケージのゴミが、発生しますので、ゴミ管理をお忘れなく。

<総合的にみると・・・>

1.軽いので、山登りなど体力を消耗するような時や、車などを使わないで移動する時、カバンにこっそり入れて記念写真などの撮影に使うのに便利です。
2.写りは、それなりで、甘い画像が多いようです。
3.簡単に写せるオート機能が中心なので、日中の撮影では、失敗が少ないようです。友達と、じゃれあいながら撮影などやりやすいと思います。
4.撮影される側に威圧感が少ないと思います。
5.値段が安く、機能も簡単である。(高機能カメラについている機能が一部使えるものもあります。)
6.簡単な防水機能のあるものがあります。
7.安く手に入るので、旅先などで購入しやすいです。(特に使い捨てカメラ)
8.画面真ん中にピントが合いやすい構造のようです。
9.ストロボ撮影は、1~3メートルくらいがきれいに写ると思います。(詳しい数字は、取扱説明書で確認してください。)
10.暗い場所での遠景は、ほぼ写らないと思ってもいいでしょう。
11.あまり深く考えないで撮りましょう。
12.電源は、手に入りやすい単三電池などが使えるもの方が、便利です。
13.ストロボやレンズを手で隠さないように撮影してください。
14.ファインダーとレンズの位置が違いますので、構図は、思ったようには写らないことを知っておいてください。

★どんな人がコンパクトカメラを使えばいいのでしょうか?これは、私独自の考えです。
みなさんイメージしてください。ちなみによく観光地でのロケ撮影中、観光客にコンパクトカメラを手渡されて、撮ってくださいと言われるのですが、撮影情報が表示されないカメラなので、写っているかどうか分からないので、不安で困ります。私は、コンパクトカメラを使うのが苦手なのです。

1.あまり機械(カメラ)に強くない人。
2.簡単に撮影したい人。
3.気楽に撮影したい人。
4.写真にお金をかけたくない人。
5.重い荷物としてカメラを選べない人。
6.体力的に手軽さを求めている人。
7.ただの情報記録媒体として使いたい人。
8.遊び心で、カメラを使ってみたい人。
9.仕上がりは、人任せにしておきたい人。
10.失敗写真を許せる人。

★カメラの補助道具は、どうでしょうか?

1.コンパクトカメラなので、落としても壊れないように自作のソフトケースなど作ってみてはいかがでしょうか。
2.セルフタイマーで撮影するのなら、かばんに入りそうな三脚がありますので、それを使ってみてはいかがでしょうか。
3.コンパクトカメラなのであまり補助道具は要らないと思います。
4.デジタルカメラの場合、パソコンを使うのならあまり高性能のものはいりません。プリンターを使う場合、色がモニターとかなり違うこともありますが、難しい調整が必要だと思ってください。たくさん撮る人は、ハードディスクの容量が大きいものを買うか、CD-Rなどにバックアップできるものがいいでしょう。
5.メールで写真を送る人は、カメラ付携帯電話を常用するか、パソコンを使い簡単でいいので、画像の容量調整を覚えましょう。市販の画像ソフトで調整可能です。

★最後にアウトドアでは、コンパクトカメラはどうでしょうか?

1.山登りなど体力がいるものは、スナップ用に大変便利です。自然は、危険がいっぱいです。なるべく荷物は、コンパクトにする必要性がありますので、大切なことです。
2.防水タイプのものがあります。雨でも川沿いでも大丈夫です。
3.自然の中で体験する、星や日の出前、日の入り後の暗い時間の景色(きれいですが・・・)の記録は残念ながら難しいでしょう。
4.キャンプなど荷物がかさばる時や、釣りなどで捕った魚の記録用にポケットに入れておいての撮影が、便利です。
5.自然と戯れて楽しかった情景を撮影し、カメラ付携帯電話のメール機能で、友達などに送ってみることも出来るでしょう。


■バックナンバー
カメラの種類あれこれ
コンパクトカメラ&使い捨てカメラあれこれ“遊べるカメラ“
高性能コンパクトカメラにあれこれ“通好み、情報カメラ”
一眼レフカメラ(35ミリ)あれこれ“いろいろな顔を持つカメラ”
レンズ一体型一眼レフ風カメラあれこれ(私のお勧め)“小さな何でも屋”
中型カメラあれこれ(意外に簡単な)“趣味のカメラ”
大型カメラなどの特殊カメラ(カメラ付携帯電話など)あれこれ“芸術カメラ?”

■著者紹介

椹木 喜雄(さわらぎ よしお)
1968年滋賀県生まれ。写真家。91年、京都精華大学美術学部造形学科卒業。在学中から独学で写真を学び、26歳から本格的に自然をテーマに地元の琵琶湖から撮影を始めた。自分自身も自然の一部として、感じるままを表現し自然と調和して生きることが出来たら、そこは"天国"だと思う。写真集「Winter」(光村推古書院)、がある。滋賀県草津市在住。
ホームページは、「自然写真物語」http://www8.plala.or.jp/sawaragi/