− 第3回 −  著者 椹木 喜雄


『高性能コンパクトカメラ “通好み、情報カメラ”』

 携帯に楽なタイプですが、性能も機能も多い分、コンパクトとはいえないくらいのサイズのものになってきていています。かばんの中に入れることくらいは、可能なくらいです。写りに関しては、高精度な小型レンズを使っていて、結構きれいなようです。舶来物では、クラシックカメラのコレクターもいるくらいです。昔からあるこのカメラのタイプは、レンズ交換も出来るものもあり、楽しめるカメラとなっています。デジタルカメラは、構造上、高倍率のズームレンズが作りやすいので、交換レンズタイプはありませんが、競争率も激しいクラスのカメラで、年々すごいカメラが発売されています。一般的に買い求めやすく、用途に合わせた構造のものもあり、写りもいいので、アウトドアでも活躍すると思われます。

<デジタルカメラ>
1.かばんに簡単に格納することが出来るサイズです。
2.オート機能も充実していますが、マニュアルである程度写りを工夫できるものも多くあります。感度も変えられるものがあります。
3.レンズは、構造上あまり広角側が充実していません。風景撮影では、若干物足りないでしょう。望遠は、かなりのところまで装備されているものもありますが、手ブレなど起こしやすいですから、欲張りタイプも選び方に注意です。接写能力に長けているものが、多いですから、花や虫などの野外撮影にはばっちりです。
4.画像サイズは、300万画素から500万画素くらいが、最も多く、A4サイズのプリントをこなします。ですが、かなり小型の画素子を使っているため、写りに直接かかわってくる性能は、それほど望めません。画素が多いからと言って写りがきれいなわけではないのです。
5.撮ったその場で、写真の確認が可能です。写りを調整して、再度確認挑戦し、失敗写は、その場で消すことが可能です。(それなりのモニターが付いている物を買ってください。)
6.最初からきれいにプリントできるように、フォトレタッチしなくてもいいようになっている反面、フォトレタッチをすると画像劣化しやすいです。(フォトレタッチとは、パソコンで画像処理ソフトを使って画質を調整することを言います。)
7.記録メディアさえあれば、何度も書き換えできるので半永久的に無料で撮影できます。
8.保存するならパソコンが必要ですが、CD-Rなどに記録してくれるサービスもありますし、プリントサービスもあります。ですが、画素数が多いと言うことは、画像ひとつの容量が大きいことを考えておく必要がありますので、出来ればパソコンがあるとよいでしょう。
9.ピントが深いため、背景をぼかす撮影は出来ないものの、ピントによる失敗が少ないようです。その分シャッタースピードが稼げるので、三脚なしでも結構使えるのです。
10.水中ハウジングなどのオプションが用意されているものもあり、外付けのストロボやレンズコンバーター(広角や望遠の拡張レンズ)など拡張が出来るタイプもあります。
11.低温に弱い構造です。真冬の撮影などでは、カメラを暖めるため大きめのポケットに入れることが可能です。(カタログでは、0度までとなっているものが多いです。)

<フィルムカメラ>
1.意外に、高級志向のものが多いようですが、ズームのない性能重視のレンズが付いているカメラや、パノラマ撮影のものもあり、ずいぶん個性的なようです。
2.安価なフィルムが多く出回っていますが、現像プリント代は必要です。より高性能のフィルムが生かせる能力を持っています。
3.デジタルカメラのように、撮ってその場で、写真の出来具合を確認できません。
4.カメラの性格上、ネガフィルムとの相性がいいのですが、ポジフィルムでもしっかり写ります。(ポジフィルムとは、印刷に適したスライド用フィルムのことでプリントの明るさ調整はネガのように融通が利きません。)
5.ズームレンズつきや、交換レンズが用意されているカメラは、風景などいろいろな被写体で活躍できます。ズームのないレンズは、人物などで思いもしない美しさで写せることもあります。
6.ピントは、デジタルカメラよりシビアです。オートフォーカスの能力はそれなりにありますからいいのですが、マニュアルカメラもあるのです。
7.デジタルカメラよりも、プリントの引き伸ばしで真価を発揮します。
8.値段は、デジタルカメラとあまり変わりません。クラッシクカメラに相当するカメラでは、プレミアが付くほどのものもあります。工芸品的なものもあるのです。
9.フィルムは、いろんな場所で容易に手に入ります。
10.電池が無くても動くものもあります。
11.現像してからのフィルム管理には、高温多湿の場所を避けなければなりません。
12.フィルムパッケージのゴミが、発生しますので、ゴミ管理をお忘れなく。

<総合的にみると・・・>
1.軽いので、山登りなど体力を消耗するような時や、車などを使わないで移動する時、カバン入れて風景写真や記念写真などの撮影に使うのに便利です。
2.小型軽量な部類に入ります。簡単に撮れるようで、かなり手ぶれの写真が増えます。特に望遠を欲張ったレンズは、要注意です。
3.絶対的なピントを確認は、難しいです。
4.写りは、期待できるものが、結構あります。
5.簡単に写せるオート機能もあり、日中の撮影では、失敗が少ないようです。三脚を用意すれば、薄明かり風景でも写せるものもあります。
6.撮影される側に威圧感が少ないと思います。
7.高性能、高機能で、写りもいいようですが、無理は利きません。すべてこのカメラで何でも写せるわけではありません。
8.簡単な防水機能のあるものがあります。
9.内蔵のストロボ撮影は、1〜3メートルくらいがきれいに写ると思います。(詳しい数字は、取扱説明書で確認してください。)
10.電気をよく消費するものもあります。バッテリータイプは充電をチェックし、予備電池は忘れないようにしましょう。
11.デジタルカメラの場合、記録メディアの予備や、容量の大きいものがそれなりに必要です。予算が許す限り買い足ししておく方が、よいでしょう。
12.ストロボやレンズを手で隠さないように撮影してください。
13.ファインダーとレンズの位置が違いますので、構図は、思ったようには写らないことを知っておいてください。(デジタルカメラは、モニターで確認可能です。)
14.よく逆光は、だめだとか言われますが、高性能レンズが使われていると、人物の場合ストロボを発光させるとうまく写ることもあります。

★どんな人が高性能コンパクトカメラを使えばいいのでしょうか?
これは、私独自の考えです。みなさんイメージしてください。このクラスのカメラは、カメラごと使い方が違います。機能を生かすボタンの位置などまちまちです。説明書を必ず読まないと使えないものがほとんどで、デジタルカメラは特にそうです。

1.それなりにきれいな写真を写したい人。
2.簡単な撮影にも使いたい人。
3.すこし難しい撮影にも使いたい人。
4.コンパクト性ははずせないが、写りまで犠牲にしたくない人。
5.重い荷物としてカメラを選べない人。
6.体力的に手軽さを求めている人。
7.情報記録媒体として、多くの情報量が必要な人。
8.遊び心で、カメラを使ってみたい人。
9.一眼レフタイプを中心に使っている人のサブカメラとして。
10.気軽に望遠レンズを使いたい人。(高倍率レンズの付いたデジタルカメラ)
11.スピードのある被写体は写しにくいので、そういった写真を狙わない人。

★カメラの補助道具は、どうでしょうか?

1.コンパクトカメラなので、落としても壊れないように自作のソフトケースなど作ってみてはいかがでしょうか。
2.三脚を用意すると、撮影の幅が広がります。
3.水中ハウジングは、大変楽しい撮り方ができるのできます。海やプール、雨の日など結構使えます。
4.このクラスのデジタルカメラの場合、パソコンが使えるほうがいいでしょう。プリントも自分でやりたい人は、パソコンとその勉強は必要です。

★最後にアウトドアでは、高性能コンパクトカメラはどうでしょうか?

1.山登りなど体力がいるものは、スナップ用に大変便利です。風景写真もそれなりにきれいに写せます。自然は、危険がいっぱいです。なるべく荷物は、コンパクトさは、重要な性能です。
2.水中ハウジングが、オプションで用意されているものもあります。雨でも川沿い雪の中でも大丈夫です。アクティブに撮影したい人は、重宝します。
3.自然の中で体験する記録に対して、デジタルカメラの高倍率なズームレンズは、かなり有効です。フィルムカメラは、克明な描写と広角レンズで風景にも有効です。
4.キャンプなど荷物がかさばる時や、釣りなどで捕った魚の記録用にかばんに入れておいての撮影が、便利ですし、プリントもきれいなので作品作りも出来ます。
5.とにかく、コンパクトさと写す能力が高いので、かなりの作品を写す目的が無い限り十分なカメラなので、危険を冒して重量のかさむタイプのカメラを持っていくのをやめて、自然を満喫することに重きを置く方には、最適だと思います。
6.スキーなどスピードのあるスポーツ写真を写すには、能力不足です。
7.過酷な条件の撮影の場合、フィルムカメラのほうが、動くこととが多いです。電子部品で出来上がっているデジタルカメラは、パソコン同様不安定な部分もあります。


■バックナンバー
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大型カメラなどの特殊カメラ(カメラ付携帯電話など)あれこれ“芸術カメラ?”

■著者紹介

椹木 喜雄(さわらぎ よしお)
1968年滋賀県生まれ。写真家。91年、京都精華大学美術学部造形学科卒業。在学中から独学で写真を学び、26歳から本格的に自然をテーマに地元の琵琶湖から撮影を始めた。自分自身も自然の一部として、感じるままを表現し自然と調和して生きることが出来たら、そこは"天国"だと思う。写真集「Winter」(光村推古書院)、がある。滋賀県草津市在住。
ホームページは、「自然写真物語」http://www8.plala.or.jp/sawaragi/