- 第1回 -  著者 椹木 喜雄


『カメラの種類あれこれ』

 どのようなカメラを使っていけばよいのか、悩んだことはありませんか?また、持っていたカメラが使えなかったといったことはありませんか?そういった疑問やカメラの目的に合った使い方などの情報を紹介させていただきます。私のようにプロとしてカメラを使っているからといって、実はすべてのカメラを自由自在に扱えるわけではありません。それは、撮影に目的があるからで、使えないカメラは、持っていないのです。

<カメラの種類>
 カメラの種類は、いろいろとあります。現代急速にデジタルカメラが普及してきました。
 そうなるとカメラ選びも多様です。各カメラメーカーの品揃えまで含めてみるとカメラ選びはさらに大変です。よく、どのメーカーのカメラの性能がいいのかなどと議論されますが、目的にあったカメラを選ばないと、結局使い物にならないカメラを手元に置くことになります。それでは、大まかにカメラの種類と特徴を明記します。

1.コンパクトカメラ&使い捨てカメラ “遊べるカメラ“
◇特徴(コンパクトカメラ)
・携帯に便利です。
・簡単なオート機能があり、日中の撮影では失敗が少ないです。
・写りは、ピントが全体に合っているように見えるが甘い画像です。
◇特徴(使い捨てカメラ)
・軽量で携帯に便利です。
・押すだけのシャッター。フィルムは、手巻きになります。
・100円から購入可能で非常に安いです。
・現像の時は、カメラごと渡すのでカメラは返却されません。
・ピントなどしっかりと確認しながら撮ることは出来ません。
・いろいろな条件で撮ると、写りにばらつきがあります。

2.高性能コンパクトカメラ “通好み、情報カメラ”
◇特徴
・携帯に便利です。
・オート機能が充実していますが、マニュアルである程度、写りをコントロールできます。
・写りは、レンズにもそれなりにコストがかかっているので、きれいです。(レンズ交換が、できるものもあります。)
・用途には限界があります。

3.レンズ一体型の一眼レフ風カメラ “小さな何でも屋”
◇特徴
・コンパクトカメラと一眼レフカメラの中間の大きさです。
・オート機能とマニュアル機能がついています。
・レンズの構造が、ある程度いいものを使っているので写りがよいようです。
・ファインダーから見える画像が、そのままフィルムに焼き付けられるので、撮影の時と仕上がりに違和感が少ないです。
・一般の一眼レフより軽量コンパクトでそれなりに多機能なので狙った写し方がやりやすいですが、基本的にレンズは交換できません。

4.一眼レフカメラ(35ミリ) “いろいろな顔を持つカメラ”
◇特徴
・レンズが交換できて、いろいろな撮影が楽しめます。
・ファインダーから見える画像が、そのままフィルムに焼き付けられるので、撮影の時と仕上がりに違和感が少ないです。
・プロ使用のカメラから初心者向けまで、種類が豊富です。高性能レンズを使っての特殊な撮影など用途が広いです。
・それなりの撮影をやろうと思うと高価な機材となり、重量も相当なものになります。
・デジタルカメラは、まだまだ高価なのですが、十万円台で購入できるようになってきています。

5.中型カメラ “趣味のカメラ”
◇特徴
・フィルムカメラの場合、ブローニーというフィルムを使います。
・35ミリカメラより大きいフィルムを使うので、仕上がりがきれいです。
・レンズの種類は、35ミリよりも少なく、レンズ自体大きく重いです。
・一眼レフタイプやコンパクトタイプ(レジファインダー)、大型カメラの風貌を持つカメラまであります。

6.大型カメラ “芸術カメラ?”
◇特徴
・大きなフィルムを使用します。手のひらくらいのサイズからA4用紙前後の大きなものまであります。
・当然カメラも大きく重いですが、木製の軽量タイプまであります。
・現在は、スタジオや建築の分野でよく使わる。持ち歩くのは大変で、動いているものを追っかけて撮影するのは、ほとんど不可能ですし、連写も出来ません。
・レンズも高性能なものが多く交換可能です。いろいろなメーカーのレンズとカメラ本体を組合せることが出来ます。
・ピントや歪までコントロール出来ます。

 これらは、使い捨てカメラ以外は、フィルムカメラからデジタルカメラまであります。水中カメラも存在します。ポラロイドカメラもありますね。近年いろいろな機能を一体化させたものが増えてきましたので、もっとあります。デジタルビデオカメラにカメラ機能がついたもの。携帯電話にカメラ機能がついたもの。双眼鏡にカメラ機能がついたものなどです。
 特に携帯電話のカメラ機能は、デジタルカメラ機能の高性能化に伴ってポピュラーな存在となってきました。フィルムの種類やデジタル画像の種類などさまざまです。カメラ雑誌など、くまなく調べれば分かることもありますが、実際使わないと分からないことが多いのです。

 次回からは、カメラの種類を題材に、カメラ別用途&用途別カメラのあれこれをご紹介させていただきます。使う人の気質などを踏まえた、使う人ありきの内容と解説をしていきたいと思います。それぞれのカメラの特徴を理解していただいて、カメラ屋などで、店員さんと仲良くなって、好みのメーカーや機種のカメラを探してください。


■バックナンバー
カメラの種類あれこれ
コンパクトカメラ&使い捨てカメラあれこれ“遊べるカメラ“
高性能コンパクトカメラにあれこれ“通好み、情報カメラ”
一眼レフカメラ(35ミリ)あれこれ“いろいろな顔を持つカメラ”
レンズ一体型一眼レフ風カメラあれこれ(私のお勧め)“小さな何でも屋”
中型カメラあれこれ(意外に簡単な)“趣味のカメラ”
大型カメラなどの特殊カメラ(カメラ付携帯電話など)あれこれ“芸術カメラ?”

■著者紹介

椹木 喜雄(さわらぎ よしお)
1968年滋賀県生まれ。写真家。91年、京都精華大学美術学部造形学科卒業。在学中から独学で写真を学び、26歳から本格的に自然をテーマに地元の琵琶湖から撮影を始めた。自分自身も自然の一部として、感じるままを表現し自然と調和して生きることが出来たら、そこは"天国"だと思う。写真集「Winter」(光村推古書院)、がある。滋賀県草津市在住。
ホームページは、「自然写真物語」http://www8.plala.or.jp/sawaragi/