![]() ![]() ![]() - 第3回 - 著者 三浦 正行
「自然との関係」を学ぶ かつての茶畑や雑木林を開発して住宅地となった私たちの地域には、野生の猿が出てきたこともありますし、先日は、わが家の犬が、散歩コースの茂みで狸と「鬼ごっこ」をしたばかりでした。 ところで、先日、通勤途中の山道(舗装はされていますが、細く曲がりくねっています)で、茂みから飛び出してきた鹿を、危うく跳ね飛ばしそうになりました。 夜間真っ暗な中で自動車のライトの前に突然現れた時には、一瞬「ウワッー」と叫んでしまいました。彼の方が、もっと驚いたかもしれません。 幸い、急ブレーキも効いて後脚が少し触れただけだったようで、茂みとは反対の方に、ガードレールを飛び越えて、駆け抜けて行きました。すぐ近くにあるゴルフ場へ、餌を求めて行こうとしていたのではないかと思います。 思ってもいなかった鹿との遭遇。その後、ふと思い出したのは、「そういえば、近くに鹿跳橋が掛かってたな」でした。 日常の通勤で見過ごしていた、「自然との関係」。橋の名称が示しているのは、この辺りの山並には、おそらくかなりの鹿が棲息していたのだろう、ということです。 現在の生活からは推し量りにくい、謂れのある名称や事柄の中には、自然に由来するものがかなり存在しているのではないでしょうか。 日常生活空間から離れて、自然の中での生活を体験することは、こうした「自然との関係」や歴史を、実感をもって学習できるチャンスが、いっぱい広がるということではないでしょうか。 ■バックナンバー ![]() ![]() ![]() ■著者紹介 ![]() 1949年宮城県生まれ。 立命館大学経営学部教授。 東京学芸大学大学院で学校保健学を専攻。1976年より立命館大学で教鞭をとり現在に至る。「現代人とヘルスケア」「心身の健康管理」「ウェルネス論」など、健康関連科目を担当。 |