『バイクで北海道を走ってみよう』(3) 大八木 雅之


9月12日
 旭山動物園に行く。よく見ると、廃園寸前から復興した様々な努力とアイデアが随所に伺われる。仕事等で行き詰まっている人も、ここに来れば解決のアイデアが見つかるかもしれない。

9月13日
 黒岳に登る。9合目あたりの紅葉がきれい。他の人は息を切らしてひたすら登っていくが、私は景色を楽しみながら、写真を撮りながら登るので疲れない。山頂から石室(避難小屋)まで歩く。ここには清潔なバイオトイレが設置されている。気持ち良く200円を寄付。他の山々にも、有料でいいからトイレを設置して欲しい。
 宿(ゆわんと村)に戻り、「紅葉情報」にデジカメ写真を提供(http://yuwanto.sakura.ne.jp/2005kouyou/index.html)。「速い情報」というのが、この宿の人気のひとつだ。

9月14日
 天気が悪いので、予定を変更して同宿のみんなで喫茶店(三股山荘)と幌加温泉でのんびり。悪天候の日は無理をしてバイクに乗ったり山に登ったりしても楽しくないし、事故も起きやすい。
 翌15日は快晴。赤岳方面に登り、紅葉を満喫。それにしても、我々以外は年配の方々ばかりで、若者を見かけない。

9月16日
 襟裳岬に行く。昆布漁が盛んに行われている。このあたりは明治から戦前にかけて過伐採によって森林が砂漠化し、その土が海に流れ込んで昆布や魚も捕れなくなってしまったという。現在は地元の方々と営林署の不屈の努力によって緑化が進められている。「襟裳岬」という曲を森進一が歌う事になったのは、その芸名から? えりもの春は、何もない春ではなくなりつつある。
参考図書:「えりもの春―木を植えた漁師たち50年の闘い」(小学館)
     「劇画 えりも岬 森づくりへの挑戦-風の岬に緑を」(非売品)

 大樹町の牧場地帯を走っていると、2羽のタンチョウを発見。こういう時はバイクが良い。安全に道脇に停まれるし、Uターンもできる。車での急停車は非常に危険なので、してはいけない。

9月18日
 初ツーリングの若者から「黄金道路はどうっすか?」と聞かれ「今日は波をかぶるかもしれんけど、それもいい思い出になると思うよ」と答えた。後日、宿(セキレイ舘)の掲示板に「海水浴びました」と書込があった。こういう体験はバイクでしかできない。

大八木 雅之(おおやぎ まさゆき)
1963年京都生まれ。ホームページ制作編集。パソコン・家電製品のリサイクル業。北海道でのツーリング・山歩きは1994年より16回目。自然体験.comの編集に参加。

■バックナンバー
『バイクで北海道を走ってみよう』(1)
『バイクで北海道を走ってみよう』(2)
『バイクで北海道を走ってみよう』(3)