![]() ![]() 第6回『フォレジングに強い味方あり』 著者 節田 紫乃
日本にいたころ、春から秋にかけて、山菜採りやキノコ狩りでの遭難事故のニュースをよく聞いた。山に入る理由は、登山がダントツの1位だが、山菜採りやキノコ狩りが2位にくる地域もあるようで、人気だ。ついつい夢中になってしまい、滑落、道迷いするケースが多いとか。気持ちはよく分かるが、くれぐれも安全第一で楽しんでほしい。 不思議なことに、英国ではこの手のニュースを聞いたことがない。もちろん、日本と英国では風土も地形も違うので、単純に比較するのは無理があるとは思う。ただ、これだけフォレジングが盛んなのに遭難があまりないのには、何か理由があるのだろうか。素人な りにちょっと考えてみる。 さらに、フットパスと並行してあるのが「アクセスランド」の存在。アクセスランドでは、主に環境保護団体や林業委員会が所有している土地、そして村が管理しているCommon land(日本の入会地と似たシステム)を、自由に歩き回ることができる。フォレジングも、生態に負担をかけない程度に推奨されているのが嬉しい。シーズンになると、フォレジング情報やワークショップなども開催されていて、人気のようだ。 ■バックナンバー 2020年春、サマセット■著者紹介 節田 紫乃(せつだ しの) 1970 年東京生まれ。英国・ファルマス大学大学院広告学科卒。英国在住 日本ロングトレイル協会アドバイザー 約 13 年間日本において、国内外のテレビ・映像制作に、グラフィック・デサイナー、プロモーション・プロデューサーとして携わる。2004 年に渡英し、南西部にあるサマセット州に在住。ガーディナーとして活躍する傍ら、英国をさらに理解するために、ウォーキング文化を日々観察し、ウェブサイト『足で感じるブリテン島・Rambler Aruki』(rambleraruki.com)にて、レポートをアップし続けている |