2008年度 審査結果発表    

2008年度「第7回 トム・ソーヤースクール企画コンテスト」の審査委員会が開催され、厳正な審査の結果、文部科学大臣奨励賞、安藤百福賞など各賞が下記の通り決定いたしました。
また、企画内容がユニークで他団体の刺激や参考となり、今後の活動に期待できる団体には、「トム・ソーヤー奨励賞」が贈られます。各受賞団体の企画や活動内容、審査委員会の講評を参考にしていただき、今後の自然体験活動の計画にお役立てください。

■学校団体部門
文部科学大臣奨励賞 賞金100万円+副賞チキンラーメン1年分
  企 画 名 「ぼくらは林大すき隊 ~もっと林を楽しくしちゃおう~ 」
  団 体 名 伊那市立伊那小学校3年明組[めいくみ](長野県) 速報レポート
  代 表 者 登内 淳(教諭)
  活動内容 総合的な学習の時間を利用し、学校近くの雑木林に自分達で林の活用を計画、模型作りを経て、ターザンロープ、一本つり橋、長いすべり台などアスレチック遊具を完成させる活動。
  受賞理由 教師一人で小学3年生34名を、8つのプログラム、のべ33回、5ヶ月間にわたり指導した努力と力量が評価された。試行錯誤している様子や子どもたちが手作りの作業を心から楽しんでいる様子が絵日記などで報告され、地域の環境、子どもの自主性、創造性などを尊重しながら指導された成果がうかがえた。
 

優秀賞 賞金50万円+副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「里山自然体験『ぬくもり山』つくり」
  団 体 名 高崎市立北小学校エコクラブ地球防衛隊(群馬県) 速報レポート
  代 表 者 勅使川原 さゆみ(高崎市立北小学校PTA会長・エコクラブサポーター代表)
  活動内容 近郊の里山で、竹林整備を通した自然体験活動を実施。落葉広葉樹の雑木林が育つ生態系を取り戻すことがねらい。竹細工や生きものとの触れあいなど、観察や五感を刺激するプログラムを展開した。
  受賞理由 限られた予算の中で、連携団体や地域のサポートを取り入れて実施した努力と工夫がみられた。活動を通して、子どもたちの自然の恵みへの理解を深め、環境問題について学ぶ内容もしっかりと盛り込まれた効果的な体験学習となった。
 


■一般団体部門
安藤百福賞 賞金100万円+副賞チキンラーメン1年分
  企 画 名 「ノアむしむし探検隊」
  団 体 名 特定非営利活動法人ナック(大阪府) 速報レポート
  代 表 者 松林 寛(理事長)
  活動内容 里山と昆虫の共生について学び、自然や環境について考える通年の活動。昆虫にターゲットを絞り、「樹液のレストラン」「灯火採集」「バッタのオリンピック」などのプログラムを実施し、専門家から昆虫の生態について学ぶ自然体験学習を開催した。
  受賞理由 少人数、昼夜・四季を通した観察、親子の参加など、昆虫を観察するための仕組みがよく考えられていた。専門家の参加によって、昆虫を切り口にその周辺の環境や自然の見方などへ学習を展開している点などが評価された。
 

優秀賞 賞金50万円+副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「ほっぷ すてっぷ きゃんぷ3」
  団 体 名 安芸青年ホール(広島県) 速報レポート
  代 表 者 柳川 聡(会長)
  活動内容 人との「和」、仲間と協力する喜びを味わうことを目指した自然体験活動。「ジョブ」とよぶ仕事や行事を通して、子どもたちの段階的な成長を促した。
  受賞理由 22年間継続されているプログラム。キャンプ全期間を「ジョブ」とよぶ仕事や行事の指令書を中心に活動していく手法がユニークである。また、徹底したスタッフトレーニングや綿密な計画、リスクマネージメントなど、質の高いプログラムであったこともうかがえた。
 


■部門共通(順不同)
トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「チャレンジ&チェンジ!真夏のアドベンチャー -海抜0m~3,000mへの挑戦-
  団 体 名 (独)国立青少年教育振興機構 国立立山青少年自然の家(富山県) 速報レポート
  代 表 者 富澤 邦明(所長)
  活動内容 海抜0mの海岸から標高3,015mの立山連峰大汝山までを、移動テント泊をしながらマウンテンバイクや徒歩で踏破する自然体験活動。
  受賞理由 海岸から立山山頂まで、富山の自然・文化資源を上手く活用し、冒険的な工夫がみられた。国立青少年自然の家という組織力、スタッフ体制が生かされた活動内容だった。運営方法は他団体にも参考として欲しい。スケジュール面ではもう少し余裕が必要かと思われた。
 

トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「おたり森の子クラブ2008」
  団 体 名 冒険教育を推進する会(長野県) 速報レポート
  代 表 者 梶谷 耕一(事務局長)
  活動内容 「挑むこと」をテーマに、年間にわたって行った週末型の冒険教育。いかだ、水上キャンプ、沢登り、登山遠征、マウンテンバイク遠征などを実施した。
  受賞理由 日常では味わえない経験を提供するというねらいで実施。手作りいかだでの湖上泊はユニーク。登山やマウンテンバイクは冒険心をそそり達成感があるものの、もうひと工夫を期待したい。
 

トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「ふるさと千万町 山里の自然と生活の知恵がいっぱい!
              『みんなが主役 手作りワイルドキャンプ!』」
  団 体 名 岡崎市立千万町小学校(愛知県) 速報レポート
  代 表 者 荻野 嘉美(教頭)
  活動内容 山里の自然と触れあうキャンプ体験。地域の人々から自然素材を生かした生活の技の伝授や、学校農園で栽培した食材で手作り料理などをおこなった自然体験活動。
  受賞理由 まもなく閉校を迎える小学校での取り組み。プログラム的には大きな特徴はないが、少ない児童を卒業生や地域住民が応援し、地域の持つ本来の教育力や学校本来のあるべき姿を全国に発信しようという姿勢が評価された。
 

トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「京都の森と水探検、調査」
  団 体 名 京都産業大学附属中学校(京都府) 速報レポート
  代 表 者 米澤 信道(教諭)
  活動内容 京都の北山を源流とする鴨川や桂川水系の環境学習。河川のほか、下鴨神社、京都御苑などで水質検査、水生生物の変遷やセミ類などの分布と生態調査を行った。
  受賞理由 森と水をテーマにしたのは京都らしく、内容の濃い調査活動で、附属中学校ならではの独自の事業展開が見られた。フィールドワークから環境問題への関心を高めるという方向性、五感を使った体験型学習の展開が評価された。
 

トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「牧の台小学校『里山体験学習 -クヌギを通して里山を知る-』」
  団 体 名 菊炭友の会(兵庫県) 速報レポート
  代 表 者 大門 宏(代表)
  活動内容 川西市の「黒川・桜の森」に生えるクヌギの木を通して、自然への関心を高める自然体験活動。クヌギの植樹、里山の観察、里山の手入れなどを行った。
  受賞理由 周到な準備と丁寧な指導、地元の環境やボランティアの方々の経験を活かし、子どもたちが楽しく学習できる工夫がみられた。学校と地域ボランティア団体との協働がさらに進むことを期待したい。
 

トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「わんぱく登山部」
  団 体 名 広島県山岳連盟(広島県) 速報レポート
  代 表 者 今村 みずほ(広島県山岳連盟 ジュニア担当)
  活動内容 山登りや沢登りなどの山遊びを通して、子どもたちに「楽しい」「好き」といった気持ちの原体験を提供、「山行中の屎尿の持ち帰り」を広報し、社会に提言する活動も実施した。
  受賞理由 昨年度の安藤百福賞の受賞団体で、さらに内容を充実・向上させ、「山の楽しさ」を伝えるという事業の目的、主催者の思いがしっかりと詰まった事業展開となった。進化する活動内容をより広く社会へ伝え、他団体の刺激・参考としてもらいたいと考え「トム・ソーヤー奨励賞」受賞となった。今後の中学生部の設立や、中高年登山者との関わりなど、より広い展開へと期待したい。