2008年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
19 NPO法人 グリーンウッド自然体験教育センター 長野県 「泰阜めぐり部 ~泰阜てくてくマップをつくって 泰阜ライフを楽しもう~」
山村留学をおこなっている子どもたちの「自分たちが暮らしている地域のことをもっと知りたい」という声をもとに、この村を訪れる人たちにも役に立つ歩く地図の製作など。

「泰阜めぐり部 ~泰阜てくてくマップをつくって 泰阜ライフを楽しもう~」 [7/8]

日  時:
場  所:
参加者:
2008年7月8日(火)
長野県下伊那郡泰阜村 大畑・温田(おおばた・ぬくた)
子ども6名、スタッフ2名

第一回目となる泰阜めぐり部の活動は、
夏ならではの泰阜村にある怖いスポットを巡ってみたいということでした。
そこで、泰阜村の村史に書いてある昔から伝わる伝説を調べてみました。

その物語の舞台となる場所は、普段小学生のこども達が登下校に利用する
県道沿いに多くあることがわかりました。
しかし、子どもたち自身はこういったポイントの存在を全く知らずに登下校を行っていたのです。
そこで今回は、そのポイントに行ってみるという企画を行いました。

 <活動目的>

・泰阜村村史にある物語に出てくる場所を巡ってみよう。
・自分達の住んでいる身近なところにあるおもしろい場所にいってみよう。

 <タイムスケジュール>

20:00  出発
20:20  足神様
20:30  供養塔
20:40  南宮神社
21:00  いぼ石
21:10  首回り地蔵
21:15  帰宅・終了

 <不思議スポット1 「足神様」>

この日の夜は夏といえどもまだ少し肌寒い日でした。
懐中電灯をもって車に乗り込み、いざ出発。
最初のポイントは、新しくできた県道からわき道に入った
谷を下る旧道にありました。

「その昔、近くを治める殿様がひどく百姓をいじめたので
百姓が一揆をおこした。
その一揆により、殿様の一族が四方へ逃げ延びた。
そのうち奥方もなれない茨をくだり、どこへ行くあてもなくさまよい
この大畑の果てまでやってきたところで足の痛みに耐え切れず
そこへ倒れてしまった。
それを里人がねんごろに介抱してあげたそうです。
それを奥方が大変喜び、立ち去るときに
『この後、もしも足を病む人があったら、今日のお礼にきっと治してしんぜましょう』
といったので祠を建てた。」

という伝説が村史に残っています。
その伝説の場所が”この“足神様”です。
それ以来この足神様は足の怪我や病気にご利益があるとされています。

始めは誰も場所がわからずに、ただ履物が多く祀ってあるという物語の中の話しかわからずに
車を走らせいると突如、森の片隅に祠らしきものがありました。
近づいてみてみると、そこには多くの履物が収められ 中心には小さな祠が。
物語通りのその場所にメンバー一同言葉もなくただ眺め、手を合わせていました。

村の物語を知っているからこそ、感じるものがあると思います。
どんなに何気なく建っている祠にも
物語があることの面白さを感じることが出来ました。

 <不思議スポット2 「供養塔」>

次のポイントは、これも県道から少しわき道に入った
田んぼのあぜ道に入ったところにある供養塔です。
昔この場所に幽霊が多く出て、とても村の人たちが困っていたそうです。
そこで村の人たちが協力してこの供養塔と建てたところ、
それ以来幽霊が出なくなったそうです。

この場所は特に気温が低く、とても肌寒い空気が流れていました。
さすがに幽霊が出た場所、という異様な空気と静けさがありました。

 <不思議スポット3 「南宮神社」>

次に向かったのが南宮神社です。
南宮神社は温田地区の山道を少し登ったところにあります。

入り口の何重にも重なる鳥居をぬけ、
ひっそりとたたずむ南宮神社で皆手を合わせ お祈りをしてきました。
この場所では、秋にくれき踊りという
とても古くからある踊りも行われている場所です。

 <不思議スポット4 「いぼ石」>

次に向かったのが、これも県道の脇を走る旧道の
川沿いにこのいぼ石がありました。

少し不気味に岩の上に石碑が建てられているこの石は、
ぽつぽつといぼのようにあることから命名され
触るといぼが治るという言い伝えがあります。

 <不思議スポット5 「首回り地蔵」>

「暮らしの学校だいだらぼっち」から歩いて数分の消防の鐘の下に
ひっそりとこのお地蔵様はあります。
その昔、ある夫婦が些細なことで喧嘩になり
偶然にも夫が妻を殺してしまったそうです。
それを悔やんだ夫がこのお地蔵様を作り、
いつも自分のほうを向けるように動くようにしたそうです。
普段こどもたちが通う場所に、
ひっそりとたたずんでいるこの地蔵にも建てられた物語があったのです。


 <参加者の感想>

・首回り地蔵はあることは知っていたけど、こんな物語があるとは知らなかった。
・普段通っている場所から少しのところに目を向けてみるとこんなに面白い石碑があるなんて思わなかった。
・村史に出てくる物語の場所に実際に行けたことが面白かった。

 <スタッフの感想>

これまで村の中で様々な活動を行ってきている子たちですが、
改めて探すとまだまだ知らない場所がたくさんあることがわかったようです。
今回いったポイントも小学生が毎日登校する県道の脇の旧道にあったりと
本当に身近な場所だけど知らないポイントを巡ることができました。

それだけでなく、地域に伝わる物語を踏まえて巡ることで泰阜村の歴史の一端を感じ
何気なく建つもの場所の由来には、何らかの意味や物語があることを感じたのではないかと思います。
これは、泰阜村だけでなく多くの場所を見るときのとても大切な視点だと感じています。



  支援団体活動レポート