2007年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
45 広島県山岳連盟 広島県 「わんぱく登山部」
山登りや沢登などの山遊びを通して、子どもたちに「楽しい」「好き」といった、気持ちの原体験を提供する活動。

「わんぱく登山部」 おおきな山にのぼってみよう! [8/28]

 日  時:平成19年8月28日(火)
 場  所:広島県山県郡安芸太田町 恐羅漢山(標高1346m)
 参加者:部員4名(男子2名、女子2名)※小学校3~6年生、スタッフ2名
 ねらい.:大きな山にのぼってみることの楽しさ・達成感。
       自然を直接肌で感じる体験。山遊びの楽しさを感じる。


恐羅漢山にはマムシがいっぱいいます。こわいからマムシの歌を作って歌って歩きました。♪マムシー、マムシー、頭が三角!マムシー、マムシー、体がマダラ!・・・で、これは、マムシのマネです。
 <タイムスケジュール>

08:00  登横川集合・出発
09:30  登山口到着(キャンプ場入口)
09:50  登山開始
12:15  山頂で昼食(肉うどんと持参のおにぎり)
12:50  雨襲来!屋根をはって、雨遊び。
14:00  下山開始
14:45  下山
15:00  キャンプ場出発
17:30  横川着

 <運営ポイント>

ゆるゆるハイキング。道草も楽しみながら。


休憩した場所に登りやすくて素敵な木がありました。
 <実施の概要>

山遊びを楽しむための単発ハイキングの3回目。
大きな山にのぼってみよう!
という、ちょっとチャレンジングな気持も含めたハイキングの活動。
4名という少人数で、密度の濃いコミュニケーションをお互いにとりながら
笑いのたえない楽しい一日となった。
ここ数日大気が不安定で、雲も多く過ごしやすい山遊びであったが
山頂、昼過ぎから豪雨に襲われ
変わりやすい自然の天候や、雨の山も体験することができた。

 <参加者の様子>

4名という少人数で、大人も含めて濃いコミュニケーションをとりながら
笑いの多いリラックスした雰囲気の中で、ゆったり、かつ「ちょっと頑張る」山遊びを楽しんだ。

途中の道では初秋の草花をみたり、冬いちごを探したり
また、甲羅干しに出てくる蛇にきゃあきゃあと騒ぎ、「こわいなあ」と思いながらみんなですすんだり。
また今回は、ハイキングとはいえ大きな山であり登り応えもある。がんばって登るところも多い。
みんなで干し梅を口にして「あまーい」「おいしい!」などと言い合いながら、苦しさを乗り切る場面もみられた。
こども達の要望により、お昼ご飯は山頂でとることに。持参のおにぎりに加え、肉うどんを調理。
「広島県で一番高いところで、こんなおいしいうどんが食べれるなんて最高!」と大喜びであった。

昼過ぎに山頂で突発的な雨にもあったが
1名はもってきていたカッパを早速着るやいなや、雨の中に飛び出し大興奮。
もう1名は「俺はカッパは着ない!雨を感じる!」とびしょぬれ状態。
そのうち屋根にしていたフライシートの余りロープで長縄跳びをはじめた。
気温の変化などでおなかが痛くなり、少し休憩をしたこどももいたり
雨のぬかるみに驚き、歩きにくさに少し機嫌を悪くした女子もいたが
友達と一緒に自然の中でいろいろと遊ぶことは楽しかったようである。
雨の寒さに震えたり、タオルで体を拭いて乾いた服に着替えたときの心地よさや安堵感
それらも含めていろいろなことを友達と一緒に味わって、帰りの車の中まで楽しい雰囲気でいっぱいであった。


恐羅漢山は県で一番高いだけあって、けっこう疲れる!干し梅をみんなで食べて歩くのが流行りました。笑ってしんどさをふきとばします。

堅くて食べられませんが、これは舞茸の一種だそう。そろそろキノコもお目見えですね。

スタートして2時間。もうちょっとで頂上です。恐羅漢山は本当に森が豊かです。

 <運営について>

少人数の良さを生かした密度の濃い良いハイキングが出来た。

 <プログラムの設定について>

ハイキングコースとして整備されているが、ある程度の登り応えもあり眺望も良い。
森も豊か。大きな山にのぼった!という達成感が得られた。

 <安全管理>

ポイント・・・ペースが速すぎないように。こまめに休憩をとりながら。
水分補給や行動食をとる時間を管理して、しっかりとってもらう。


山頂でお昼ご飯をとることにしました。やっぱり山頂は気持ち良い!雲は多かったのですが、しっかり眺望はのぞめました。

恐羅漢山の一番高いところで「立ちぐいうどん」なのだとか。最高の立ち食いうどんですね。

と、思ったら突然の雨!屋根をはって避難!

 <総合評価>

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 寒かったのでココアを2杯飲んだらおなかが痛くなって遊べなかった。つまらなかった。
 でもごはんを食べたらなおったので、またココアを2杯のんだらまたおなかがいたくなった。
 おなかがいたいまま下山していたけど沖野くんがおもしろいことを言うので笑っていたら
 おなかがなおりました。雨のやまのぼりも嫌いではないです。
 雨の山のにおいがクンクンしてる山を歩くのが好きだからです。」
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今回参加した女子のプライベートな作文を保護者の方が送ってきてくださった。
すなおな文章がほほえましい。
また、このこどもの自然や世界に対する感性の豊かさと敏感さに感動する。

回を重ねているこどもは山での楽しみ方が上手になる。
遊びや楽しさをどんどん見つけることができる。
山登りがはじめてで あまり外遊びをしない、というこどもからは
「いつあそびをやるの?」という質問も出たりする。
「山登りがもう遊びだよ」というが、なかなかピンとこないらしい。
しかし様子をみていると実に楽しそうである。
「楽しい」という気持ちも、経験して、継続して、はじめてわかってくるものだと感じる。
「楽しさ」をみつけたり「楽しんだり」できることは
人が経験をしながら身につけていく一種の能力ではないだろうか。
私達はそれを「あそび」ながら身につけていくのである。

わんぱく登山部では、プログラムを綿密に構成するのではなく
(アイスブレイキングやふりかえり、アクティビティづくりなど)
こどもを単純に山へ遊びにつれだそう、というコンセプトとスタイルで展開してる。
はじめは「ハイキングのみ、という活動をこどもがどれくらい楽しんでくれるだろうか」との不安もあった。
しかし回を重ねるごとにその単純なスタイルがどれだけ大きな意味をもち、力をもっているか
私達の中でもより確かなものになってきた感じがする。
運営スタイルもだんだんと明確になってきた。今回は安定した運営と成果が得られたという感じ。
これらを一般的なものにも出来るよう、続けて模索していきたい。


雨でもやっぱりあそびます。お母さんに買ってもらったカッパも、実は朝から着たくてしかたがなかったんでした。ようやく着ることも出来て少し興奮気味。

下山です。雨雲が目の前を、ものすごい勢いで動いていきます。向かいの山のむこうは青空でした。

しばらくどしゃぶりが続きました。濡れてちょっと寒かったけど、タオルも着替えもあるから平気です。渇いた服でほっとします。雨だって風だってみんな同じ自然の姿。そのまま謙虚な気持で受け入れていけたら良いですね。



支援団体活動レポート