2007年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
17 昭和女子大学附属昭和小学校理科サークル 東京都 「昭和っ子環境調査隊」
学校周辺や多摩川河川敷の空気や水の環境調査。学校のビオトープや多摩川での、水生生物の調査も実施。これらの活動を通して、都会jの環境と教育と、自然保護をの重要性を学ぶ企画。


網の使い方を教えていただきました
「昭和っ子環境調査隊」 [9/2]

 日  時:平成19年9月2日(日) 9:00~15:00
 場  所:東京都世田谷区 二子玉川兵庫島付近
 参加者:小学4年生~中学1年生14名、保護者1名
 指  導:教員3名、ゲストティーチャー1名、大学生1名

暑すぎない9月最初の日曜日。
子どもたちにとっては夏休み最終日に、多摩川と野川での調査を行いました。
到着すると早速、きれいなコバルトブルーの色をした鳥、カワセミが出迎えてくれました。
この日は、①川の生物調査、②水質調査、③空気中のSPM調査、④川を流れる体験の4つを目的としました。
まずは、ライフジャケットを着けて野川の生物調査から行いました。
まず、ゲストティーチャーに手網や四手網を使って生物を捕まえる方法(通称:ガサ入れ)を教わりました。
そして、いよいよ捕獲開始。開始直後にアユを捕まえた子どもがいたので口の中を観察しました。
アユは石についた水垢を食べるために、ざらざらした歯を持っていることを教えていただきました。
その後、60cm級のコイやウキゴリの仲間が捕れて、みんな大満足でした。
この日の午前に取れた生物は表1のようになりました。

 <表1・野川で捕れた生物>
魚  類 魚類以外
メダカ ・・・10
ドジョウ ・・・3
シマドジョウ ・・・1
ヨシノボリ ・・・1
マルタ ・・・2
コイ(子) ・・・8
コイ(65cm) ・・・1
タモロコ ・・・14
モツゴ ・・・12
ウキゴリ・シマウキゴリ ・・・3
スミウキゴリ ・・・9
アユ ・・・1
オイカワ(仔魚) ・・・多数
アメリカザリガニ(オス) ・・・4
アメリカザリガニ(メス) ・・・3
ウシガエル(オタマジャクシ) ・・・1
ミナミヌマエビ ・・・多数
スジエビ ・・・少々

生物調査に出発

網の中に魚を追い込んでいます

魚の名前も分かりました

また、みんなで活動した野川の水質をパックテストで調べました。
きれいに見える野川でも、亜硝酸の数値が高く
まだまだ川をきれいにする取り組みを続けなければならないことが分かりました。
午後は場所を多摩川に移して、初めにライフジャケットとシュノーケルを着けての川流れ体験をしました。
最初は、川の流れに身を任せることがなかなかできなくて苦労した子どももいましたが
何回も流れるうちにみんな上手になりました。
シュノーケルを着けたので、水中を泳ぐ魚や草に捕まっているエビの様子を観察できました。
体が冷えてきてしまったので、生物調査は約30分間しかできませんでしたが、表2のような生物が捕れました。
野川と多摩川にいる生物には、違いがあることがよく分かりました。

 <表2・多摩川で捕れた生物>
魚  類 魚類以外
ヌマチチブ ・・・4
ウキゴリ・シマウキゴリ ・・・3
スミウキゴリ ・・・1
マハゼ ・・・1
テナガエビ ・・・3
スジエビ ・・・3

ライフジャケットを着けて川流れ体験

シュノーケルを着けて水中の生き物観察

野川と比べるために多摩川でも生き物を捕りました

野川のときと同様に水質も調べました。
野川と比べて亜硝酸の値が低いことなど、隣同士の川なのに違いがあることが分かりました。
水質調査の結果は、表3にまとめました。

 <表3・水質調査の結果>

野 川 多摩川
pH
亜硝酸(ppm)
りん酸(ppm)
COD(ppm)
7.0~7.5
1以上
0.5
50
8.5
0.1~0.2

15

最後に、国道246号線下で空気中のSPMの採取を行いました。この結果は、後日学校で調べます。
学校前の国道246号線の結果と比べてみると、何か違いはあるでしょうか。
たくさんの活動を行って、あっという間に終了時刻の15時になってしまいました。
たくさんの思い出を胸に、それぞれが帰路につきました。

 <参加者の感想文より>

私は初めて多摩川に行きました。来た時、とてもわくわくしていました。着いて、野川は案外きれいだなあと思いました。入ってみると魚がたくさんいて、感動したのはゲストティーチャーの方が捕ったコイでした。後で写真を撮ってもらったのですが、すごい迫力でした。みんなでたくさんの魚を捕りました。私は川でザリガニを捕っているのを初めて見ました。小さかったけれど、はさみはとても大きかったです。たくさんのことを教えてもらい、川博士になったみたいでした。
私が一番感動したことを書いたのですが、他に体験したこともとても楽しかったです。夏休み最後のいい思い出になりました。(児童)

二子玉川自然観察会はとても楽しかったです。楽しすぎという感じでした。なぜなら、初めての経験がたくさんあったからです。しかし、疲れました。一番ビックリしたのが、コイが捕れたことです。野川でコイが捕れるなんて思ってもいませんでした。さらに、野川で捕れたコイの最長記録が120cmだと知ってさらに驚きました。
また、水温が低かったので、僕は最後のほうでガチガチ震えてしまいました。その後、蛇口の水が入る前は冷たかったのが、入った後は暖かかったのが印象的でした。パックテストが初めてできたので、とてもうれしかったです。でも、自分たちだけ20秒なのに他の人たちは反応時間が長いので、いいのかなあと思いました。
シュノーケリングも初めてでしたが、すぐになれることができました。魚を捕ったり、川の流れに乗って滑ったりした感覚などがたまらなかったです。
一番疲れたのは、空気がどれくらいきれいかを測る注射器です。測り方を教えていただいたとき、押したり引いたりを300回するように言われました。僕は一瞬冗談かと思いました。体力的にも精神的にも疲れました。
来年もぜひ参加したいです。(児童)

先日はどうもありがとうございました。
朝、息子は少し鼻声かなと心配しておりましたが、初めての体験の喜び、充実感一杯でとても元気な笑顔で戻ってまいりました。
帰り道もずっと観察会のおしゃべりが尽きることなく、参加しなかったお友達のことを「何故参加しなかったのだろう?」「何をしていたのかなあ」と、自分の喜びを分けてあげたいというようなことを話しておりました。(今日、早速来年の参加を皆にアピールしたらしいです。)
子どもが大勢集まると事故の危険性も高まり、先生方は大変だと存じます。それでも子どもたちの好奇心や体験することの面白さを大切に考えて、企画・引率してくださった先生方に心から感謝の気持ちで一杯です。帰宅後、すぐに入浴させたのですが、浴室から息子の楽しそうな鼻歌が聴こえてきて、とても幸せな気分になりました。
先生方、卒業生の方々、本当にありがとうございました。(保護者)



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