2007年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
13 ふうき自然塾 千葉県 「里 use Camp~ふうきの森~」
有数の日本水仙の生息地であった南房総で、放置された水仙畑や山林を見直すために、山林での隠れ家作りや、お花畑の整備を中心とした体験活動を企画。森のデザインつくり、森の整理整頓・堆肥作りなど。

「里 use Camp~ふうきの森~」 第2回 [1/4-6]

 日  時:平成19年1月4日(金)~6日(日)
 場  所:千葉県富津市 ふうき自然塾
 参加者:子ども20名、大学生7名、スタッフ7名

 <水仙祭り>

1月に入ると、房総半島では水仙祭りが開かれる。
その時期にあわせて、森の中の水仙畑を子ども達に見せてあげたい。
一面の花畑があることを教えてあげたいとの思いから、この1月に里ユースキャンプ2回目を開催する。
森を守ると言うことは大人の考え方。
鬱蒼とした森の中から突如として現れる、お花畑。植物の生命力を感じて欲しい。
昔はここから花を出荷していたということは長老から聞いている。
この場所は、第1回目に造った遊び場からほんの100mほどの距離にある。
今は埋もれた、秘密の場所である。

花なんてと言う子もいたが、森を抜け花畑に到着する直前から独特な香りが鼻をつく。
いいにおい、そして目の前には可憐な花が群れをなして咲いている。
こんな山奥にそれもこんなにいっぱい。
前回、みんなががんばって森を整頓してくれたご褒美だよ。
子ども達からは様々な歓声があがる。純粋にきれいなものはきれいだ。
しばらく、お花畑を楽しんだあと、これからが今回の課題。
この花たちをどうするか。
見ているのはきれいだが、ここも今後管理をしていかなければゆくゆくは他の場所と同様に朽ちていってしまう。
そこでみんなに課題を投げかけました。この花をどうしようか?と

 <花に囲まれた環境学習>

前回の活動では荒れた森を少しでも楽しめる森に生き返らせようということで、森の遊び場をつくった。
今回はこの森のもう一つ違う面を見てもらう。
前回の場所は、人の手が入らなくなって五十年はたっている所。このお花畑はせいぜい五年程度。
でも、あと十年も放っておけば、おなじ道をたどってしまう。
そんなことを子ども達に伝え、この花畑はどうすればいいかな?と問いかけてみた。遊び場にする?と問うと
「こんなに花が咲いていると花を踏んでしまうから遊び場にするのはかわいそう」
「この花を摘んで、みんなで売りに出してみる?」
「花を摘んでしまうのはかわいそうだよ」
確かに花をむやみに摘むのはかわいそうだね。純粋な子どもの気持ちだ。
「でも、お花屋さんにはたくさんの花があるよね、みんなのおうちにもお花を飾るでしょ。」
「この花を摘んだら、その後はどうなるの?」
「また、来年生えてくるよ。」
「えっそうなの?」
「そうだよ、昔の人はそれでこの花を育てていたんだよ。」
「それなら、昔の人たちみたいに世話をしようよ。」
いろいろな話を花畑の中で話し合い結果、花畑の一部だけみんなで花を摘み
最終日にこの花を人の集まる所に持っていき、山奥の花畑を紹介しようということになった。

最終日、早朝、山に行き花を摘み、近くのドライブインにて、即席のお花屋さんを開店した。
一本一本丁寧に摘み、5本を一束にした。
今年はこの花をみんなで育てたわけではないが、翌年へ続く継続的なものとして考えた。
反響は予想以上のもので、数分で完売してしまった。
子ども達が山に入り、花を摘み、この花たちがどこかのおうちに飾られる。
買っていった方の中には
子ども達に「えらいね」とほめられて、ナンともいえないはにかんだ表情をしていたのが印象的だった。
この活動はこれで終わりではなく、今後に続く始まりとしてこれからも続けていきたい。



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