2007年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
13 ふうき自然塾 千葉県 「里 use Camp~ふうきの森~」
有数の日本水仙の生息地であった南房総で、放置された水仙畑や山林を見直すために、山林での隠れ家作りや、お花畑の整備を中心とした体験活動を企画。森のデザインつくり、森の整理整頓・堆肥作りなど。

「里 use Camp~ふうきの森~」 第1回 [12/22-24]

 日  時:平成19年12月22日(土)~24日(月)
 場  所:千葉県富津市 ふうき自然塾
 参加者:子ども20名、大学生7名、スタッフ7名

 <森を知ろう>

里ユースキャンプに集まったのは、横浜・千葉などを中心に子ども20名、大学生7名。
今年度の田んぼでの体験学習に参加していた子ども達と大学生達。
ふうきの森に息吹を与えるぞと、立派な使命を帯びた総勢二十七名のふうきの使者達。
何はともあれ、ふうきの森を見てまわろう。
まずは難しいことは置いておき、森の中で何ができるか考えてみることに。
子ども達は探検隊の気分でどんどん森の中に入っていく。
鬱蒼とした森の中なのだが、ところどころに人の痕跡を感じるところがある。
田んぼの跡であり、朽ちた民家の跡であり、山の神様の祠である。
「ここは昔、田んぼだったんだよ」と教えてあげると、
1年間田んぼを体験した子ども達は「???」頭の中ではてなマークが。
「何でこんな山奥に田んぼがあるの?」「水はどうしたの?」「イノシシにやられないの?」
と素朴な疑問をしてくる。

 <森のイメージ作り>

ひと通り森を探険した後、森の一ヶ所を今回のベースキャンプとすることにする。
平らな土地ではあるが、落ち葉が積もり枯れ枝などが散乱している場所である。
子ども達がどのような反応を示すかスタッフは興味津々。
「ここをみんなで遊べる場所にしょう。」と伝えると、思ったとおりに「何もないじゃん」「どうやってあそぶの?」と。
熊手で落ち葉を集めて、枯れ枝は一箇所に集めて、ちょっと暗いので木を何本か切ろう。
そうすれば森の中の秘密の場所になるでしょ。
この秘密の場所と言う魔法の言葉に子ども達の心はとりつかれてしまい、遊びも忘れて作業にとりかかる。
冬の昼間は短い。
広い森の中、子ども達が一生懸命落ち葉をかき、スタッフと大学生とであらかじめ目印をつけておいた
木々を間引いていくとあっという間に、日が暮れてくる。ここにターザンごっこができるようにロープをかけて、
ここに基地をつくり、ここにはブランコをつくりたい。この木は木登り用にしてハンモックはこっちにつるす。
と子ども達はありったけの想像力で遊び場を思い描いた。
1日目にして大雑把だが下準備が出来上がり、暗くなる前に森を後にする。

 <森のお話>

夜はこの地区の長老、御歳九十歳の方に昔の森の話を聞く。
子どものときの頃から戦後を経てからの出来事などを話していただいた。
こちらは大学生やスタッフのほうが熱中して聞き入ってしまう。
子ども達は昼間見た森の中の田んぼのことや山の神様のことなど、自身で疑問に思ったことを質問した。
昔はこんなに木が大きくなくて、森からは海が見え、アケビやサル梨などの木の実がたくさんあったんだ、
さらに、自然のお酒を造っていたこともあったと伝えられる。
人が入ることによって、森は守られる、森をかわいがってあげれば、森は意地悪をしないよと教えられた。
お話を聞いた後、子ども達に感想を聞いてみると
数人の子ども達が昔の人は「ずる~い」と一言。
確かに、昔はあったものが今はないということで、子ども達の素直な反応なのかもしれない。
誰のせいでもないが、今はもう無くなってしまった。
しかし、無くなったものは確かにあるが、その代わりみんなはとても便利な生活をしているよね。
テレビも車もゲームだっていっぱいあるよね。
どちらが良くてどちらが悪いと言う判断はできないが
今からでもこうやってみんながもう一度、森を生きかえらせてあげようよ。


 <ドラム缶風呂>

山から枯れ枝をたくさん抱えて下りてきた子ども達の
次の仕事は風呂を沸かすこと。
子ども達に桃太郎の最初のフレーズを伝える。
「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは」と。
みんな「今、山へ柴刈りに行ってきたんだよ。」と伝える。
そう、ふうきの山には柴がたくさんある。
こうやって、焚き火で焚いたお風呂に入ると森がきれいになるんだよ。
やや、あつかましく子ども達に教えてあげた。
疲れを知らない子ども達は、
井戸から水を汲み、ドラム缶に水を張り、火を焚いて
特製の露天風呂を作る。
なぜか焚き火で沸かしたお風呂に入ると、ずっと体がポカポカする。
これから里ユースキャンプのお風呂はずっとこれだからね、と伝える。
山で柴刈りをして、井戸の水を汲み、お風呂を沸かす、
少しだけ昔の生活を体験する。


 <山猿に変身>

翌朝、早朝から森に行く。
まずは楽しい森にしようということで、子ども達の要望にもあった、ターザンロープやブランコなどを作ることに。
ロープを腰につけ、木をよじ登り、思ったところにロープを引っ掛ける。それを大学生達が引っぱる。
ピーンと張ったと思っても、これが意外と難しく悪戦苦闘。木登りと言っても、難しいあそびである。
実際、はじめて木登りをするという子どもも多数。
まず一歩を踏み出し、恐怖心と戦いながら何度も挑戦をする。
慣れてきた子ども達ははやくも山猿となり、大人では上りきれないほどの高さまで上ってしまう子どもも。
あっという間に一日が過ぎてしまった。



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