2007年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
7 群馬県甘楽郡甘楽町立新屋小学校 群馬県 「ぼくらの ふるさと 学び隊‥大地と水と大空と‥豊かな自然の中でがんばるぞ!」
米作り大作戦、タマネギの収穫、金星観察、石の観察、昆虫生態観察など、総合的な自然体験学習を半年間にわたって企画。

「ぼくらの ふるさと 学び隊‥大地と水と大空と‥豊かな自然の中でがんばるぞ!」
サマースクール② 天引石を見つけよう [8/6]

 日  時:平成19年8月6日(日) 09:00~12:00
 場  所:甘楽町天引
 参加者:新屋小児童12名(3~6年)、保護者1名、幼児1名、教師3名
 講  師:渡辺弘幸 教諭(本校職員)

本校の住所は「天引38-1」。
地名の「天引」がつけられた「天引石」は2000万年ほど前に海に堆積してできた砂岩(牛伏層砂岩)である。
天引石は東隣の吉井町の牛伏山から甘楽町さらに富岡市にかけてベルト状に分布している。
古くから石製品の材料として使われている。
現在でも採石されて灯籠や建築材料として出荷されている。
風化しにくく、多胡碑(日本三大古碑の一つ)も天引石(牛伏層砂岩・多胡石)である。
校区内にある文化財「笠塔婆」「黒渕古墳群石室」等に天引石が使われている。
そのほかどんなところで天引石が使われているか、実際に歩いて調べてみた。
猛暑の中、木陰で休憩をとりながら4カ所を見学した。

・笠塔婆・・・県内で20基ほどある中で、天引地内に4基ある。700年ほど前に建てられた。

・天引中宿の薬師様・・・200年ほど前につくられた。
 風雨にさらされていたと思われるが、摩滅も少なく、保存状態がよい。
 *途中、道路沿いに見られる馬頭観音、道祖神、石塔、灯籠、石垣などにたくさん使われている様子を確認した。

・円墳と推定される黒渕古墳群の塚は、円墳周囲の土が現存しておらず、天引石の石室がよくわかる。
 入り口は1mほどの高さだが、石室内は高さ1.8mほどあり、皆が立つことができた。
 使われている天井石などの石材の大きさを測り、重さを推定した。
 入り口上の石材で1トン以上、天井石にあっては10トン近いことがわかった。
 機械もない大昔にどのようにして重い石材を運んだのか、古墳をつくった時の様子を皆で想像してみた。

・最後に「熊野堂の摩崖仏」を見学した。天引石に直接彫られている。
 1mもない大きさだが、400年の歴史を感じさせる趣があり、子どもたちも見入っていた。

天引石がいろんなところで使われていることを再確認した。
身近にある岩石の特長を知り、活用してきた古代の人々の暮らしや願いに思いをはせた。
猛暑の中だったが、有意義な学習となった。



支援団体活動レポート