2008年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
42 彦名地区 チビッ子環境パトロール隊 鳥取県 「泳げる中海を取り戻すには私たちはどんなことをしたらよいか」
きれいな中海を取り戻すために、水質調査、親子環境学習会などをおこなうほか、割り箸の回収による紙の再生、サマーエコキャンプなどの環境学習をプログラムに組み込んでいる。

「泳げる中海を取り戻すには私たちはどんなことをしたらよいか」 朝日のびのび教育賞受賞 [11/22]

日  時:
場  所:
参加者:
2008年11月22日(土)
東京都 朝日新聞本社
現パトロール隊メンバーとその保護者
 <朝日のびのび教育賞>

朝日新聞社が公募していた第10回『朝日のびのび教育賞』に
彦名地区チビッ子環境パトロール隊の活動について応募していたが、
全国各地から応募のあった247編の中から5編の「朝日のびのび教育賞」の栄誉の内定通知を受けた。

18年間の永きにわたり、
次代を担う子どもたちと「泳げる中海を取り戻すには」を活動テーマに掲げ取り組みを展開し
多くの町内外の皆さんのサポートを頂くようになってきたので、本賞の受賞は町挙げての喜びである。

11月22日東京浜離宮の朝日新聞本社でプレゼンテーション後表彰を受ける予定で、
現在の彦名地区チビッ子環境パトロール隊のメンバーに加えて
保護者も参画して頂くことにしている。

私たちの取り組みの経緯は以下のとおりである。

私たちの町、米子市彦名町は中海に面しており
冬には遠くシベリアからカモやマガン、コハクチョウ等たくさんの水鳥がやってくる。
40年から50年ほど前まではこの中海で泳げ、魚や貝などもたくさん取れたきれいな海であった。

この中海も、私達の生活が便利になるにつれ汚れがひどくなってきた。
私たちは船で中海に水の調査に出かけるが、今でも汚れていて泳ぐことは出来ない。
海底にはヘドロがたまっていて卵がくさったような臭いがする。

『これではいけない』と彦名地区民の人と一緒になって
『泳げる中海を取り戻す』ための具体的な活動をするために
1991年「彦名地区チビッ子環境パトロール隊」を発足させ環境改善の活動を継続して来ている。
今では、多くの米子市民や湖岸流域の人々が中海をきれいにしようと立ち上がって
美化清掃等を実施する輪が広がってきている。

(1)町内の環境パトロール(20項目を合計100点満点で評価)と中海の水質調査
(2)環境をよくするために具体的に何をすべきかを学ぶ親子環境学習会
(3)使用済み割りばしを回収して紙に再生する活動(手作りはがきを再生する等)
(4)天ぷら油を回収し廃油ローソク作りや車の燃料とする資源の有効利用の活動
(5)めだかの観察・生息やシジミがよみがえってきたこと関する調査
(6)古いストッキングの有効利用による台所排水の浄化作戦の展開・普及啓発活動
(7)親子エコクッキング教室を開催-食を通して環境の問題を考える会への参加
(8)親子水鳥観察会への参加・体験調査活動
(9)国内外の環境活動に取り組んでいる人々の交流
(10)環境新聞『中海』の町内全戸配布による中海浄化の意識啓発(1回/月・B-4両面)
(11)韓国の子どもエコクラブの皆さんの情報交換
(12)調査・活動結果報告会
(13)環境を基軸にした地域への社会貢献活動(美化清掃や換気用パトロール等)

活動のキーワードは『継続は力なり』。
『出して処理する労苦より、出さない努力を』を基本的なスタンスに
「小さな積み上げ大きな成果」をモットーに、楽しく仲良く問題意識を持って取り組みを展開している。

 <参加者の感想>

「『朝日のびのび教育賞』を受賞して」
「朝日のびのび教育賞」とは、朝日新聞社が主催企画した
教育専門家からの意見をもとに朝日新聞社の記者が現地を調査した上で決定される
教育に関する前向きな可能性が感じられる団体に贈られる賞です。

全国から247件の応募と推薦があった中で5団体が受賞することになり、
その中にわが「彦名地区チビッ子環境パトロール隊」が受賞することが出来ました。
これもひとえに、サポーターの向井さんの尽力とパトロール隊の先輩方と彦名地区の皆様のおかげです。

彦名地区チビッ子環境パトロール隊は、身近なところから地球環境を考える活動をしています。
次代を担う子供達にこそ地球規模の環境問題を身近な所から考えてほしいと、向井さんが発足されました。

小3の娘は今年4月から入隊し、毎回積極的に参加しています。
娘は南極のペンギンが大好きで、地球温暖化に伴う氷河の崩壊によりペンギンが危機にさらされていることを
悲しくまた助けてやりたいと思っています。
自分達の活動が環境保全に役立つなら、そして1匹でも多くのペンギンが救えるなら、
との思いでこれからも頑張っていきます。

これまでの活動の成果としては、彦名地区住民の方々の協力もあって
家庭排水をきれいにするちょっとした工夫で、今では川にしじみが見られるようになりました。
向井さんの「出して処理する労苦より、出さない努力を」との標語どおり
小さなところから、また一人一人の心がけがこんなにも大きな成果につながるという事が証明されました。

パトロール隊の活動は、1年を通してまだまだあります。
どれもが環境保全やエコライフにつながるものばかりで、
子供達の「科学する心」を育て未来っ子としての認識と責任感を培う活動です。
これらの努力が認められ今回の受賞につながったのだと思います。
(保護者 島林昌子)



  支援団体活動レポート