2008年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
27 岡崎市立千万町小学校 愛知県 「ふるさと千万町 山里の自然と生活の知恵がいっぱい!『みんなが主役 手作りワイルドキャンプ!』」
山里の自然と触れあうキャンプ体験。地域の人々から自然素材を生かした生活の技の伝授や、学校農園で栽培した食材で手作り料理などをおこなう自然体験活動。

ふるさと千万町 山里の自然と生活の知恵がいっぱい!「みんなが主役!手作りワイルドキャンプ!」 いよいよ開会式! [7/19]

日  時:
場  所:
参加者:
2008年7月19日(土)
岡崎市立千万町(ぜまんじょう)小学校
全校児童5名 ほか
 <絶好のキャンプ日和!>

平成20年7月19日(土)天気快晴!最高のキャンプ日和で、「手作りワイルドキャンプ」の幕が開いた!
じりじりと焼け付くような太陽の下、鈴木先生と児童が育てたサルビアやマリーゴールドが花壇で花咲かせる中、お父さんたちによる「竹の小屋」の骨組みの移動が始まっている。

「あっちい!今日は暑いなあ!」
「これで子どもが寝られるようになるだかやあ?」「何い、5人全員が寝るの?」
「まだ竹の骨組みしかできとらんぞ!屋根はどうするの?」
「そりゃあ、屋根はよしずを張って、横はすだれを垂らせばOKだよ!
 ここまで竹を切り出して骨組みを作るのが大変だったんだから。」
「そいじゃあ、がんばって5人が寝られるように小屋を完成させるか!」

ここは愛知県三河山間部にある
愛知県で一番児童数の少ない岡崎市立千万町(ぜまんじょう)小学校の運動場である。
千万町小学校は、全校児童5名(3年1人、5年2人、6年2人)のへき地小規模校である。とはいっても子どもたちも保護者も地域の人々も元気いっぱいである。小さくてもでっかい夢と希望を持ち、夢と感動が生まれる学校づくりをめざす大きな挑戦を続ける学校である。

子どもたちは40数年間にわたって高いレベルで継続している伝統の地域ぐるみの全校音楽活動を受け継いで
全校児童5人でマリンバとビブラフォンの器楽練習に励んでいる。
CBCこども音楽コンクールに43年連続出場して優秀賞など数々の栄誉を受けている。
愛知県岡崎市出身・千葉県在住のプロ・マリンバ奏者小田もゆる先生と蒲郡市の壁谷桂子先生の指導を受けながら、最優秀賞受賞を目標に、またプロ演奏家と合同演奏ができる日を夢見て練習に励んでいる。

今日の全校児童5人は、
オーストリアが世界に誇る「ワルツ王」ヨハン・シュトラウスⅡ世作曲・小田もゆる編曲による
「トリッチ・トラッチ・ポルカ」(おしゃべりポルカの意味)の演奏練習の真っ最中である。
子どもたちの一生懸命な練習を音色を聞きながら、子どもたちの願いである「手作りワイルドキャンプ」の実現を陰で支えてくれるお父さん軍団の登場である。
「竹の小屋」(バンブーハウス)の完成やいかに?!果たして夜寝るまでに完成するのだろうか?!

 <岡崎東消防署額田出張所による救急蘇生法の実技訓練>

全校音楽の練習が終わる11時頃、真っ赤な大型消防車が校庭に入ってきた。
これから始まる「手作りワイルドキャンプ」での川の事故や熱中症などへの予防措置の体験学習も兼ねて実地での研修のために、3名の隊員の方がはるばる千万町までかけつけてくれたのである。火事などの「いざという時の」緊急出動に備えて、貯水タンク付きで放水銃を備えた消防車でのご登場である。

日頃緊張と激務にある消防団員の方に、練習している「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の演奏を聞いていただいた隊長さんの感想は、次のようであった。
「消防署のおじさんは音楽については素人だけど、しかしこの和やかな雰囲気の曲を聴いて、とても心が和む気がしました。自分たちは日頃緊張の連続でストレスを感じているんだけれど、今みんなの曲を聴いてなぜか家の孫のことを思い出しました。おじさんの気持ちが非常に和んだということをお知らせしたいなあと思いました。」
消防署の方々の「心の和ませる」力を子どもたちの器楽演奏がもっていることを改めて実感した一時でした。

心肺蘇生法の講習会では、「額田消防劇団」による
ダミー人形をつかっての人工呼吸と心臓マッサージの実演、学校に備えてあるAED(自動体外式除細動器)の模型をつかっての実演があった。これが面白くしかもなかなか実際のやり方がよくわかって大好評である。
その次は、児童と保護者の方でダミー人形を使っての心臓マッサージの実地練習である。
消防隊員の方からも、「高学年児童なら、心臓マッサージで実際に救えるぐらい上手だね」とほめていただいた。

 <さあ、いよいよ「手作りワイルドキャンプ」開会式!>

開会式は、児童のキャンプのめあて発表から始まった。

5年C児
「今年のキャンプのめあては「冒険」です。何でも冒険するつもりでがんばろうということで書きました。」
(「全校書写」の時間に4つ切り画用紙に筆で書いためあてを見せながら)

3年E児
「ぼくのキャンプのめあてはこれです。「仲間」です。
仲間といっしょにいろいろ遊んだりやったりするために書きました。明日も今日も張り切ってやりたいです。」

5年D児
「わたしのキャンプの目標はこの「楽」しいという字です。
なぜこれを書いたかというと、このキャンプでみんなと楽しくやりたいからです。
このめあてが達成できるようにがんばりたいです。」

6年B児
「私のキャンプの目標は「元気」です。けがをせず一生懸命元気にがんばって勉強をやりたいです。」

6年A児
「私のキャンプの目標は、喜びの「喜」という字です。なぜこの喜という字を書いたかというと
振り返ってから、いろんなことに喜んだり、今こうやってキャンプをできることを喜んだりしたいからです。」

それぞれの児童が、「全校書写」(全校児童が一堂に会して書写を一緒に学習している。おにぎり荻野教頭が書写の時間を担当!)の時間の一部を使い、筆で4つ切り画用紙に各人の自分のキャンプのめあてを書いたものである。
5人が仲良く楽しめるキャンプにと5匹の魚の絵が添えられていたり、元気という字が絵文字風になっていたりと子どもたちも楽しんで書いたものである。また、自分も「手作りワイルドキャンプ」と「団結」とキャンプのめあてを書いたがこれが意外と楽しい。
これも学校を拠点にキャンプをできる強みであり、事前の意識を育む上で重要なポイントである。

もう一つ5人の団結力(連帯意識)を醸成する手だてとして、バンダナを児童や保育園児に渡すことにした。
これも児童はとてもお気に入りで、キャンプ中ずっとやっていた。アクセサリーとしてまたキャンプ参加の一員だという仲間意識を育むちょっとしたアイテムになった。

「荻野PTA会長のあいさつ」
消防署の方から心肺蘇生法を学びました。これをこの2日間使わなくてもいいように!
いい天気、真っ黒になって汗かいて仲良く元気よくがんばってやりましょう!

「おにぎり荻野教頭の話」
手作りワイルドキャンプのめあて=全校書写の時間に書いためあてには、その子の個性がよく表れている。
「手作り」というのは、今年は竹をテーマになるべく自分たちの手で!と考えた。
「ワイルドキャンプ」には、野性味あふれる、自然に親しんで自分たちの力でという意味合いを込めた!
自分から進んで手作りで仲良く元気よく!張り切ってやっていこう!
自分の書いためあては「団結」。五人の絆がより深くなり、本当の意味で心がつながる本当の仲間になってほしい!
そうずると全校音楽ももっともっとうまくなる!

・お母さんたちには、食事作り(島田手作りパン)でお手伝いいただきたい。
・お父さんたちには、恒例のお化け(肝試し)をよろしく。今年は泣く子が出るぐらい怖く!
(でもけが人がでないように!)お願いします。
・今日の目玉の一つに星の観察があります。
学校の天体望遠鏡と藤井哲也先生のものずごい本格的な天体望遠鏡で、木星=ジュピターの縞模様が見られる!
また、国際宇宙ステーションの「希望」が7時56分から8時頃千万町上空を通過します。
天気がよければ「希望」が肉眼で見られます!!


 仲間の一体感を醸成するアイテム・めあてを書いた絵風の書とバンダナ!/円陣を組んでキャンプスタート!
 <おまけ・みんなで円陣を組んで手作りワイルドキャンプスタート!>

「トム・ソーヤスクール企画コンテスト予選突破!めざせグランプリ!」
開会式が終わってから、コンテストの予選を突破し50団体に選ばれていること、チキンラーメン1ヶ月分をゲットしたことを告げると、さあ気合いを入れてということで急遽、円陣を組んで手をのせ合って歓声を挙げることになった!
いいぞ!やるね!千万町っ子(ぜまんじょっこ)!!

「めざせ!グランプリ!」「オオ!」
「手作りワイルドキャンプがんばるぞ!」「オオ!」
「グランプリ取るぞ!!」「オオ!」

ううむ、なかなか意気込み満点の開会式となったのであった。(つづく)



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