2008年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。
NO | 学校・団体名 | 都道府県 | 企画の概要 |
20 |
NPO法人 浅間山麓国際自然学校 |
長野県 |
「浅間山子ども自然教室」
外来種のハルザキヤマガラシやフランスギクの除去とそれを利用した草木染の体験。さらに、高山蝶ミヤマモンキチョウの生態観察と保護などの活動を、通年でおこなう。 |
|
「浅間山子ども自然教室」 田んぼの生き物調査隊 [8/19]
日 時:
場 所:
参加者:
2008年8月19日(火)9:00~12:00
宇坪入の棚田(長野県小諸市菱野区)
6名
<レポート>
日本棚田百選のひとつ「宇坪入の棚田」にて、田んぼの生き物調査隊というイベントを開催しました。
今回は一時的に激しく雨が降るなどしてあまり天候には恵まれませんでしたが、小諸市・軽井沢町より二組の参加がありました。
「宇坪入の棚田」は棚田百選に選ばれてはいるものの、現在では耕作放棄地が増えてきており、今年から当自然学校で棚田を借りて地元菱野地区の農家の方や、小諸市役所の方、県の職員の方などと連携して作業を行っておりました。
当日は棚田を「空中」「草地」「水路」「水田」と大きく四つのエリアに分けて、
それぞれのエリアにどんな生き物がいるかを調査しました。
「空中」のエリアではトンボやチョウなどの昆虫類の他、
ホオジロやトビ、ハチクマなどの鳥類も確認することが出来ました。
「草地」のエリアではバッタ、コオロギ、クモなどの他、イノシシの足跡なども観察しました。
「水路」のエリアではカワニナ、ヤゴ、アカガエルなどの他、
環境省指定の絶滅危惧種ⅠB類であるホトケドジョウが多数確認されました。
ホトケドジョウは農薬の使用や、水路のコンクリート化とともに数を減らしてきた生き物ですが、この棚田ではまだ残っていました。しかしこの棚田でも僅か50m程の水路に1集団が残っているだけなので今後の慎重な対策が求められるところです。
「水田」のエリアではミズカマキリ、タイコウチ、マツモムシ、アマガエル、オタマジャクシ、イトトンボのヤゴなどを捕まえることができ、また以前に放流したフナも捕まえて観察することが出来ました。
フナは海のない長野県では貴重なタンパク源となり、フナが泳ぎ田の中の水を濁すことによって雑草の繁茂を抑える働きもあります。
この四つのエリアの他にも周囲には雑木林やため池、小川、植林地などもあり、
そこから来たであろうミヤマクワガタなども見ることが出来ました。
最後には調査シートを使って現れた生き物をエリアごとにまとめていきました。
またイタチやタヌキ、キツネ、アナグマなど里山の生き物の骨を使いながら里山の生き物の特徴や生態などを説明しました。一番最後に捕まえたものを捕まえたところと同じ場所で放して終わりになりました。
この棚田は今年の春から始めた田です。
まだ生き物の種類はあまり多くはありませんが、今後継続していく中で生き物の種類がどのように変化していくかを知るために今回の調査は非常にいいデータになると思います。
また9月にも季節を変えて同じプログラムを開催する予定でいます。
<参加者の感想>
・生き物を捕まえるのが楽しかった。
・こんな棚田があることは知らなかったので秋の収穫の時にもまたプログラムを開催してほしい。
・田んぼにはいろんな生き物がいることが分かった。