2008年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
20 NPO法人 浅間山麓国際自然学校 長野県 「浅間山子ども自然教室」
外来種のハルザキヤマガラシやフランスギクの除去とそれを利用した草木染の体験。さらに、高山蝶ミヤマモンキチョウの生態観察と保護などの活動を、通年でおこなう。

「浅間山子ども自然教室」 高原の生き物調査隊 [7/21]

日  時:
場  所:
参加者:
2008年7月21日(月)
池の平湿原(長野県)
親子7名
 <レポート>

上信越高原国立公園内に位置する池の平湿原は、標高2000m近くあります。
その湿原にて今回のプログラムを開催しました。この湿原にはミヤマモンキチョウという高山蝶が多数生息しており今回はその蝶を中心にその他多くの昆虫や鳥類について調べてみました。ミヤマモンキチョウは浅間山系と北アルプスにしか生息せず、準絶滅危惧種にも指定されています。
今回のフィールドは国立公園内でしたので、採取ではなく双眼鏡などを使っての観察が主体になりました。池の平湿原は木道が整備されており、高山植物の種類も豊富なところで、多くの観光客で賑わっていました。

池の平湿原に入ってすぐに、クロヒカゲとヤマキマダラヒカゲという蝶を観察しました。
どちらもこの時期多い蝶で湿原内ではなく周囲の高木が生えている環境で多く見られました。またシラフヒゲナガカミキリという針葉樹林にすむカミキリムシも観察することが出来ました。
湿原内ではコヒョウモンという蝶やビンズイといった鳥、クモやアリ、シリアゲムシ、など名前までは分からなかったのですが多くの昆虫類を確認しました。またクロヒカゲがテンの糞にとまって食事をしている様子やコメツキムシのジャンプなど観察することができました。

そしていよいよ、ミヤマモンキチョウの生息するゾーンに到着しました。
ミヤマモンキチョウの幼虫はクロマメノキ(マメ科)を食草とするのでその樹が生えている場所に多く飛んでいます。この日は多くのオスと数頭のメスを全員で観察することができました。オスとメスは翅を開いた時の色が違うのですぐ分かります。希少な種であり、小さく可憐に飛び回る可愛らしい姿にみなさん非常に喜んでいました。

ところが、よく見ると一回り大きな普通のモンキチョウも飛んでいます。
近年、温暖化の影響かどうかは分かりませんが標高2000mのこの地域にも普通のモンキチョウを見ることが多くなってきました。繁殖力の強いモンキチョウが増えていくとどうなるのか、チョウだけではなく、植物、動物など様々な面でこの問題は浮上してきそうです。名前の分からないチョウなどは自分たちでその特徴を表すような名前を勝手につけて、家で調べてもらうことになりました。
次回は8月上旬に開催する予定です。

 <参加者の感想>

・池の平湿原には毎年足を運んでいるので
 きっとミヤマモンキチョウも見ていたはずなのに全然知らなかった。
・今まで昆虫にはあまり興味がなかったけど、これを機にもっと知りたくなった。
・ミヤマモンキチョウを見ることが出来てほんとによかった。



  支援団体活動レポート