2008年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。
NO | 学校・団体名 | 都道府県 | 企画の概要 |
8 |
特定非営利活動法人 むさしの里山研究会 |
埼玉県 |
「里山体験プログラム」
「生き物」「農」「里山の恵み」をキーワードにして、子供達の遊びの心を引きおこし、ゆったりした時間を提供する自然体験活動。 |
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「里山体験プログラム」 稲刈りにチャレンジ [10/13]
日 時:
場 所:
参加者:
2008年10月13日(月・祝)10:30~14:30
皆農塾
大人12名、小学生8名、幼児7名・スタッフ7名
<活動のねらい>
参加者に稲刈り体験をしてもらい、米作りの大変さや収穫の喜びを分かち合いながら
農業や食について関心を喚起するとともに、交流を図る。
<プログラム>
10:30 皆農塾(水田提供農家集団)に集合
10:40 あいさつの後、水田へ徒歩で移動
11:00 諸注意ののち稲刈り開始
12:30 稲刈り終了、皆農塾に戻る
13:00 皆農塾到着後昼食/昼食終了後ヒツジと遊ぶ
14:30 あいさつの後解散
<レポート>
今回の参加者は田植えにも参加した方が多く、収穫を楽しみにしていたようです。
子供達が安心して作業が出来るよう、この田んぼは完全無農薬で栽培をして頂きました。
このため除草は合鴨を利用したり手取りで行ったりしました。
合鴨除草は自然に優しいと思っていたのですが
水田に生息する生き物にとってはダメ-ジが大きいことが分かりました。
大人も含め稲刈りは始めての方が多く、
始めのうちはうまく鎌を使えず
はたで見ていてケガをしないか不安でしたが、
なれるにしたがって上手になってきました。
しかし子供達の中には、稲刈りやバッタ採りの方に関心が移ったり
どろんこ遊びに興じる子もいました。
稲刈りだけでなく、田んぼの生き物とのふれ合いやどろんこ遊びも
子ども達にとっては貴重な体験だと思います。
とはいえ、稲刈りは遊びではありません。
明日は天気が崩れるとの予報ですので、今日中に全て刈り取る必要があります。
はざがけもいい加減に行うと、あとの作業に支障を来してしまいます。
大人の方には、稲をしっかり縛ること・束の大きさを均一にすることなど
うるさいと思われたかも知れませんが何度も念を押し、縛り方が弱い場合には縛りなおしてもらいました。
みんなの頑張りのおかげで、予定時間を30分ほどオーバーしましたが 全ての稲を刈り終えました。
その達成感でみんな満足そうな様子でした。
帰りの道は、田園風景を楽しみながらのんびり歩きました。
幼児は歩けないと思い 車を用意したのですが、全員徒歩で皆農塾までたどり着きました。
皆農塾ではスタッフが昼ご飯を用意しており、早速昼食です。
おかずは漬け物・けんちん汁・おにぎり・カボチャ・サツマイモなど質素ですが
お釜と薪で炊いた新米は豪勢なおかずがなくても、とてもおいしかったようです。
素材の野菜は全て、今朝 皆農塾の畑で収穫した有機無農薬のものです。
昼食後は皆農塾で飼育しているヒツジ5~6頭を放牧地に放してもらい
子供達はヒツジにエサをやったり・追いかけたり・背中に乗ったりと、思い思いに遊びました。
除草で活躍した合鴨も見せて頂きました。この合鴨は、かも鍋になるそうです。
皆農塾の塾長の
「農家にとって動物はペットではなく、家畜です。可愛そうですけど、そのいのちも頂くのです。」
との言葉が印象的でした。
解散は予定より延ばしたのですが、もっとヒツジと遊びたいと泣き出す子もいました。
次回は「ヒツジと遊ぼう」というプログラムですので、その時一杯遊ぼうということで納得してもらいました。
<安全管理>
田んぼまでの道に一部車道があったので、スタッフが先頭・中央・後尾につき、車に気をつけました。
のこぎり鎌でケガをしないようスタッフが注意を払いました。
また、雨で水田がかなりぬかった状態であったので、事前に排水作業を行っておきました。
<評価・反省>
今回のプログラムは、農家の水田を使わせてもらうため かなり神経を使いました。
農家にとって水田は神聖な場所。
仕事場であり、子どもの遊び場ではないとの価値観を持っています。
参加者もそのことを理解してくれ、作業としてもしっかりできたと思います。
ただし、稲刈りを体験するだけではなく
農業や食料への関心の喚起という面では不十分であったと反省しています。