やまぼうし自然学校


NPO法人やまぼうし自然学校「森林環境教育」アクティビティーメニューから「森の土壌調査」を紹介いたします。

■「森の土壌調査」のねらいは?
 NPO法人やまぼうし自然学校では「森林環境教育」として、「森林」をテーマに様々な角度から「環境教育」「体験学習」を実施しています。
 「森林」「森」という言葉と「体験学習」「環境教育」を結びつけた場合、どうしても目を向けがちなのが、「地面より上の世界」です。

 NPO法人やまぼうし自然学校は「環境教育事業」とは別に「指導者養成事業」にて「森林インストラクター養成講座」を開講しています。
 難易度の高い試験ですが、この「森林インストラクター講座」の教科の中には「森林の基本」となる「土壌」という項目があります。

 この「土の世界」をわかりやすく、そして学習効果の高い方法を検討し、「プチ!?森林インストラクター講座」として子どもたち、また広く一般の自然の好きな方々へわかりやすい内容のアクティビティーとして展開しています。

■「森の土壌調査」とは実際どのような内容か?
「森の土壌調査」には時系列に大きく以下のようなサブカテゴリーに分かれています。
 1)森林環境・人工物環境測定
 2)掘削作業
 3)土壌生物調査
 4)地層測量・測定
 5)擬似森林土壌モデル製作
 6)保水力実験
 7)ろ過力実験

難しい表現をすると以上のようなタイトルになりますが、アクティビティの実際については以下のようなことを体験し学習していきます。

1) 森林環境・人工物環境測定
まず、森に入る前に参加者の方々に森の外での学習を行います。
参加者の皆さんには「ワークシート」を事前にお配りします。これは、やまぼうし自然学校オリジナル教材のひとつですが、参加者の皆さんにまず外から見た森について理解をしていただくことを目的にしています。
・森の全体の概観(色・形・構成する樹種)はどうか?
・肌に感じる風・におい・音などはどうか?
・体感温度・湿度はどうか?
などなど
そして、反対に人工物についても確認します。
・道路の概観(色・形・形状)はどうか?
・肌に感じる風・におい・音などはどうか?
・体感温度・湿度はどうか?
また、実際に温度計、湿度計等で実際に参加者に計測を行っていただき、体感との差を実感していただきます。

参加者にはこれらワークシートにまとめた情報を発表していただき、やまぼうし自然学校インストラクターが森林環境・人工物環境について標高・樹種・地形・人と里山のかかわりなどあらゆる面から解説と補足を行います。

次に参加者を実際の森の中に案内します。
そしてここでも先ほど行いましたワークシートに基づく調査を行います。
・中から見た森の様子(色・形・構成する樹種)はどうか?
・肌に感じる風・におい・音などはどうか?
・体感温度・湿度はどうか?

このようにして参加者には外から観察した森と中から見た森の違いについて体感し学習します。
2)掘削作業
掘削作業といってもいきなり道路工事のようなことを行うわけではありません。
参加者(グループ)単位で掘削する場所を決めることから始めます。
調査エリアはそれぞれ30cm×30cmの矩形を作り、その中はこれからの重要な調査エリアとなるため進入禁止?となります。
まず、みなさんにはこの矩形で切られたエリアについてやはり先ほどと同じ、ワークシートに従った計測や調査を行います(体感や実測)
その後、それぞれに事前に配っております土壌採取用の容器にこれから掘削する過程での各地層(難しい言葉では森林褐色土でのA0層からC層まで)を採取していただくことをお願いします。

3)土壌生物調査
まずは上位層(難しくはA0層の上位3層F・L・H)について変化があればその時点で容器にとりわけを行っていただきます。この上位層とは森林土壌を形成する最初の層で生物などたくさん見ることができます。
この上位層の生物についてはさらにあらかじめ配布しています「土壌生物調査表」にしたがって各層での土壌生物の種類、数を調査していただきます。

4)地層測量・測定
先に述べましたように参加者(グループ)で調査エリアを決めていただくのですが、その場所によってA0層からC層までの深さや層の厚さが異なります。
これら各調査エリアについて参加者(グループ)にてその深さや地層の厚さを計測します。

5)擬似森林土壌モデル製作
A0層からC層(岩盤)まで先ほどから各容器に採取していただいたものを、底に穴を開けた透明の容器に順番に重ねて入れていただきミニ地層モデルを作成します。
実際の地層を参加者が側面から見ることので、地層のつくりについて学習します。

6)保水力実験
先ほどのミニ地層モデルに一定量水をいれます。そして底から出てきた水の量と、入れた量を比較してみます。この差分が簡単に言うと森林土壌が水を蓄えた、すなわち土壌の保水力がこれでわかります。

7)ろ過力実験
保水力実験でそこから出てきた水をさらに上から入れ、また下から出てきた水を上から入れるを繰り返していくと、そのうちに水はきれいな無色透明なものに変わります。
すなわち、これが簡単に実験できる土壌のろ過作用実験です。

こうして、ワークシートを元に、五感を使う、掘る、測定する、実験する、を何度も繰り返し参加者に体験していただき、さらにインストラクターはこの森の仕組みと土壌のでき方や大切さを説明することで、このアクティビティーの学習効果が高まります。

森林環境教育としてやまぼうし自然学校で行っていますアクティビティーのひとつを紹介いたしましたが、これら以外にほかのアクティビティーと組み合わせることによりさらにレベルの高い学習を行うことも可能となります。


■関連情報
森のふしぎ ネイチャークイズ2002 リーフレット
ワークシート