− 第695回 − 筆者 中村 達
『地震』 深夜、東北地方を中心とする大きな地震があった。TVで緊急地震速報が映し出されて、津波注意報も発令された。またか!と思ったが、同時にこの国は常に地震の危険にさらされているのだと思い知った。災害はすぐに忘れがちだが、忘れる間もなくやってくるので、下手をすれば慣れてしまうのも困る。またか!という慣れが怖い。 朝、TVをつけると福島県沖の深さ57㎞海底で、マグニチュード7.4、深度6強の地震が発生したと報じていた。東北新幹線は脱線事故が発生し、運行を一部中止した。レールのゆがみやコンクリートの剥がれなども見つかっている。 いまの段階では、この地震による被害状況は把握されていないようだ。被害の広がりが心配だ。 蔵王山麓に住んでいる友人にお見舞いのメールを送信すると、すぐに返信がきた。人的な被害はなかったが、天井板が落ち、梁が10cmほどずれ、屋根に穴が空いたという。 また、福島県から青森県の海岸部を通る「みちのく潮風トレイル」の運営団体に、お見舞いの連絡をしたが、現時点では返信はない。被害状況の把握に多忙を極めているのではないだろうか。 2019年は風水害被害、20年、21年はコロナ禍で、このトレイルだけでなく各地のトレイルも被害が出て、一部通行できなくなった。ようやく修復もすすんで、コロナ禍も一息つこうとしている矢先に地震だ。 今回の地震の被害が最小であることを祈りたい。と同時に、なんとか一日も早く安全が確認できて、トレイルを歩ける日が来ることを願う。 (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー 安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員 |