− 第693回 −  筆者 中村 達


『減少するスキー人口と、増えるスノーボーダー』

 北京で開催された冬季オリンピックは、日本人選手の大活躍で幕を閉じた。スノボーやフィギアスケート、ジャンプ、クロスカントリー、カーリングなどは世界でもトップクラスで、大変誇らしく感じた。

 いま、日本は例年にない豪雪で、積雪の記録を更新した地域もあるようだ。ゲレンデもコロナ禍とはいえ、久しぶりに盛況を見せている。そのゲレンデではスキーが減少傾向で、スノボーが大幅に増えた。TVニュースによると、場所によってはスノボーが9割を占め、スキーが僅か1割ほどになっているのだそうだ。
 ここ数年、コロナ禍で私的にはゲレンデには出かけていないので、この数字を聞いて正直なところ大変驚いた。

 冬季オリンピックでは、日本人選手が活躍する競技の放映が多いのは仕方がないとはいえ、スキーのアルペン競技の中継があまりに少ないので、個人的にはがっかりした。
これまでオリンピックでは、回転、大回転、スーパー大回転、滑降などの競技は、例え日本人選手の成績が振るわなくても、食い入るようにTV中継を観たものだ。あまりにも少ないスキー競技の中継に、これではますますスキー離れが進んでいくような気がする。

 冬山の登降では、山岳スキーが有利だ。シールを付ければ、ある程度は快適に登れるし、荷物を担いでいればなおさらだ。深雪になれば、登りはスキーにアドバンテージがある。
 ジャンルが違うと言われればそれまでだが、古い山屋であり、古いスキーヤーは、そう思うのだが、どうだろう。


(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員