− 第684回 −  筆者 中村 達


『晩秋のぶらぶら歩きあれこれ』

 午後になって晴れてきたので、カメラを持って森林公園に出かけてきた。いつもならガラ空きの駐車場もこの日は満杯だったが、何とか停めることが出来た。1台だけ、ぎりぎりセーフ。やはり、紅葉の最盛期だけに人が多そうだ。考えることはみんな一緒だと思った。
 木々の色づきが鮮やかだった。森の中にいると紅葉の中に埋もれたような錯覚に陥ってしまう。思わずシャッターを切った。

 森の中を進むと、ツリークライミングの体験会をやっていた。この体験会の主宰者とは顔なじみだ。コロナ禍でしばらく出来なかったが、ようやく開催にこぎつけられたそうだ。氏の本業は林業だと聞いている。子どもたちに樹木の素晴らしさを伝えると同時に、木の上から森の姿を見てほしいからツリークライミングをはじめたのだという。

 見物していると、吊るされたザイルに登降器をつかって攀じ登る子どもたちは、真剣そのものだ。集中しているのがよくわかる。そして、樹上まで上がると達成感と満足感で笑顔がこぼれている。子どもたちにとって忘れられない1日になったに違いない。
 そんなあれこれの晩秋のぶらぶら歩きだった。


(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員