− 第673回 −  筆者 中村 達


『カメラの変遷』

 近頃はスマホで画像を撮ることが多くなった。つい最近までは、小型のデジカメをポケットやパックに入れて出かけていたが、スナップであればスマホが便利に思える。スマホのデジカメ機能は飛躍的に向上して、単体のデジカメと大差ないようだ。
 私が初めてカメラを手にしたのが、小学校の低学年だったようだ。父親のLOADという国産のフィルムカメラで、うれしくて首にぶら下げて空シャターばかりきっていた。
 自分専用のカメラは小6の時に、かなり無理を言って買ってもらったFUJIPETというブロニーフィルムを使用するものだった。その後、PET35という少し上級のカメラに買い替えてもらった。といっても子ども用だった。このカメラを面白半分に分解したのだが、元に戻せなくなって撮影不能となってしまった。

 そのせいか、高校生になるとすっかり興味が失せてしまい、カメラとはほとんど縁がなくなってしまった。スナップ用にOLYMPUS-PENのハーフサイズのカメラを、ときどき気まぐれに使う程度だった。だから高校山岳部時代の写真がほとんどない。

 大学生になって入学祝にPENTAX-SPを買ってもらった。唐突だが、カラコルムに出かけるために必要と考えたからだ。その後、急にカメラを手にすることが多くなって、6×7や6×4.5サイズまで使うようになった。NIKON、CANON、OLYMPUS、LICA、MINOLTA、CONTAXなどなど、いつの間にかカメラの保管庫も増えてしまった。デジタルになって、さらにその勢いが増してLUMIX、FUJIなども仲間に加わった。

 これらのカメラや交換レンズは、仕事上で少しはペイ出来ているのかと尋ねられることがある。役に立っていることはあっても、もちろん全く出来ていない。結局は趣味の世界なのだろう。つまるところ、フルサイズのデジイチは保管庫に入れたままで、スマホだけで出かける・・・いや、それだけはと悩む・・・まるで煩悩の世界である。


(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員