− 第649回 −  筆者 中村 達


『安藤百福センターの森のミーティング』

 先日、安藤百福センターの森で「歩く」をテーマにしたミーティングが行われた。コロナ禍で多数の人たちが集まるイヴェントは、出来ることなら避けたいと考えた。森の中で適度の距離をとってのミーティングなら、リスクは相当程度軽減されるはずだ。

 11月初旬の森は、ナラ、コナラ、ケヤキなどが色づいて実に美しい。黄金色に染まる落葉松は、ここ700mの標高では1週間ほど後だろうか。地面は落ち葉の絨毯がひき詰められたようで、歩くと心地いい。ドングリが足元にたくさん落ちていた。今年は不作と言われているのに・・・。

 そんな森の中でのトークは、話す方は聴衆がいないのでリラックスして肩の力も抜けるので自由度が高い。しかし、反対に聞き手がいないというのは反応がわからず、緊張感が少ない。これでいいのかと自問しながら話さなければならないので、ややしんどい感じがする。ただ、こんな形がいつまで続くのだろうか・・・。
なお、このミーティングは、ちかくユーチューブなどで配信される予定である。

 今朝、晴れたので仕事場の途中にある森林公園に立ち寄ってきた。今年は早く冷え込んだせいか、例年より紅葉は少し早いように感じた。毎年、1本のモミジバフウが色づくのを楽しみにしている。タイミングがあって、なかなか紅葉にドンピシャで巡り合うことは難しい。
 今年はどうだろうかと思いながら歩いた。バッチリだった。ただ、すぐ近くの森からゴソゴソと、何やら動物の動く気配がした。地面にはイノシシが掘り返した跡がたくさんあった。後ろを気にしながらシャッターを押した。


(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員