− 第639回 − 筆者 中村 達
『フィルムの整理』 海の日、スポーツの日、土日と続いた4連休だったが、連日の雨とCOVID-19の拡大で、しかたなく自宅でジーッとしていた。時折、雨が止んで雲が高くなると、近くの公園から子どもたちの元気な声が聞こえてきた。そらそうだろう、エネルギーがあふれる子どもたちに、じっーとしてなんて言うのは、無理な話だし可哀そうだ。 とは言え、こちらも読書はそろそろ飽きてきたし、原稿書きも切羽詰まらないとやる気が起こらない。取りためたビデオも、すべて見てしまった。不要不急な外出自粛で、この半年ほどは動きがかなり鈍ってしまったようだ。散歩も梅雨空では、ままならない。 ふと、写真の整理を思い立った。デジタル化した画像は10数年前からは、それなりに整理できている。しかし、それ以前は全てフィルムだ。このフィルムが私にとっては、ものすごい量だ。整理せずに、サーッと見て、あとは段ボール箱に放り込んでいるだけのものが多い。その段ボール箱が4~5箱もある。ポジは比較的わかりやすいが、ネガフィルムは見づらい。プリントしたものは、そのまま整理ボックスに入れたままだ。 さらに、35㎜フィルムだけでなくブロニーもたくさんあって、スキャンするのに相当な時間がかかりそうだ。 これらのフィルムの中には仕事だけでなく、個人的なものや家族の記録もあり、処分するにはやや躊躇する。海外登山や外国での記録フィルムもたくさんあると思う。 数年前、フィルム専用のスキャナーを購入したが、100枚程度試したままで挫折してしまっている。この際、使ってみようかと思う。 フィルムは色の諧調や温かさがあって、なんとも言えない良さがある。が、デジタルは好き嫌いもあるだろうが、いまの私の状況を考えると画像の保存や整理には、やはり便利だ。 と、言い訳やへ理屈をならべても、所詮、私が撮った写真は、他人が見ても、面白くもおかしくもないだろう。 こんなことを、なんとなく考える、再びやってきた自粛生活である。 (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー 安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員 |