− 第637回 −  筆者 中村 達


『夏休みとCOVID-19』

 「夏休みに県外に旅行する予定はない」が、60%を超えるという調査結果があった。COVID-19の第2波が懸念されている状況で、県をまたぐ移動に自粛ムードが広がっている。近場で過ごすという人が多くなっているのだろう。
 先日、半年ぶりに県をまたいで出かける機会があった。各所で感染対策のために、消毒液が置かれ、売店やコンビニ、それに土産物店もビニールのシートで飛沫の防御処置がとられていた。徹底した対策に、驚くとともに、いつまでこのような状態が続くのか不安にもなった。この分だと、秋、冬もいささか怪しいような気がする。

 さて、この夏どうしようかと、いまだ考えている。まだ、何にも決まっていない。決められないのが本当のところだ。昨年までは各地に頻繁に出かけていた。しかし今年は、観光地やリゾート地などは、来てほしいが、たくさん来ると不安、という雰囲気を感じる。その地には人々の生活があり、高齢者が多く、子どもたちも住んでいる。感染への不安は常にあるのが当然だろう。だから、こちらも出かけるのに躊躇していて、何も決まっていない。

 山やアウトドアフィールドは比較的安全といわれるが、問題はアプローチだろう。これまでは、例えばアルプスに登りに出かけても、山麓のターミナルや登山基地は、おおぜいの登山者や観光客で、ともすれば3密の状態になる。これは日本だけの特殊事情でなく、ヨーロッパなどでも同様だ。

 また、山小屋などの宿泊施設も休業を決めたところも多い。いま、山ではテント泊のニーズが高くなってきたようだ。それもソロキャンプだ。それはそれで楽しいと思うが、排せつ物やゴミの持ち帰りなど、基本的なマナーの徹底を望みたい。この機会に、自然にいかにローインパクトに付き合うかも考えてみる必要がある。

 観光が成長戦略の一つとされているが、そのためには、私たちのライフスタイルの変容も重要だと思う。

(次回へつづく)


■バックナンバー

■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員