− 第632回 −  筆者 中村 達


『コロナと山登り』

 コロナが少し収束気味ということで、緊急事態宣言が解除になった地域もある。しかし、外国の例を見るまでもなく、油断するとすぐに感染が広がってしまう可能性があり、少し心配ではある
 この状況はしばらく続くと言われていて、少なくともいまは、感染防止策を続ける必要がありそうだ。

 そんな中でアウトドアではどんな過ごし方ができるのか。まず、高い山を登るのは、控えたほうがよさそうだ。何しろアプローチとなる登山口までの交通機関が、運行されていないこともある。

 山小屋などの宿泊施設は、営業を控えているところもある。特に山小屋は狭い空間のところが多く、利用者が増えれば、三密になりやすいといわれている。また、立地条件や環境によって、水の確保が難しいところもあるなど、様々な課題があるように思う。つまり、新型コロナ感染症に対して、防御できる条件と手段が限られて、利用者も経営側も厳しい対応が迫られるのではないだろうか。お世話になっている山小屋もあるので、気がかりだ。
 一方、キャンプ場、特にオートキャンプ場などは、子どもたちを連れて行くのにはいいのかも知れない。ただし、空間が広く、ソーシャルディスタンスが十分確保でき、手洗いができ、清潔なトイレなどが完備されているなどが条件だろう。と書きながら、かつてアウトドアは、汚い、危険、きつい、の3Kだったと思い起こした。

 さて、私もこの先予定が立てられず困惑している。かと、言って緊急事態宣言が解除された後も、じーっと、ステイホームというわけにはいかない。
 そこで、落ちつけば、近郊の山や近くの里山などを歩こうと思っている。また、機会ができれば久しぶりに、渓流でロッドを振ってみようかなどと、何となく、ぼーっと考えている。

 とはいえ、そろそろ梅雨の季節だし、もうすぐ暑くなる。春のアウトドアシーズンは、自粛で、ほとんど外出できなかった。
この分だと本格的な山歩きや登山は、早くて秋になるのだろうか。まぁ、山は無くならないので、しばらくはガマンするしかない。

※画像はイメージで、本文とは無関係です。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員