− 第589回 −  筆者 中村 達


『山の日フォーラム』

 3月16日(土)17日(日)の2日間、東京の秋葉原UDXで第4回目となる全国「山の日」フォーラムが開催される。http://yamanohi.net/
 3年前から始まった、国民の祝日「山の日」をより知ってもらうためのいわばプレイベントで、今回のテーマは「みんなで山を考えよう!2019」だ。
 今年の山の日8月11日の記念大会は、山梨県で開催される。
 山の日の趣旨は「山の恵みに感謝するとともに、美しく豊かな自然を守り、次の世代に引き継ぐことを銘記する日」である。国土の7割が山岳地帯であり、古くから私たちは山とその自然がもたらす恩恵を受けてきた。日々の生活でも密接な関係があり、その豊かな自然を享受してきた。登山をはじめとするアウトドアレジャーでも、多くの国民が多彩で多様なフィールドを利用してきた。
 そのフィールドの代名詞でもある「山」に、国民あげて感謝しようというのが目的である。さらに、山岳を中心とする中山間地域の活性化や、青少年の自然体験活動の促進も大きな目標だ。自然体験活動のフィールドは、好むと好まざるとに関わらず、この国の地勢から「山・山岳地帯」と「海」である。

 「山の日」は制定されて今年で4年目となったが、国民の間には「休日が一日増えた」程度の認識も、まだまだ多いと言われている。また「山の日」を推進している団体や機関も登山愛好団体が多く、野外教育や自然体験活動を行っている団体は少ないように感じている。このフォーラムで、ぜひとも青少年の野外教育や活動を指導・推進している人たちも、「山の日」を広める活動に参画してほしいと願う。

 プログラムは山に親しむための、さまざまなコンテンツが数多く用意されている。山岳救助、山岳科学、山と音楽、地域振興、都市と農村の交流、山小屋、ネパールヒマラヤ、そしてロングトレイルなどをテーマにした講演会やパネルディスカッション。関係団体の出展、アウトドア・登山用品の展示などがある。
また、「東京を歩こうラリー」はだれもが気軽に参加できるウォーキングイベントで、参加者には豪華プレゼンもが用意されているので、家族や仲間で参加してみてはいかがだろう。

(次回へつづく)


■バックナンバー

■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員