− 第575回 −  筆者 中村 達


『台風がまた来た』

 台風24号が21号と同じようなコースで、大型で強い勢力のまま来襲した。昔、「風速40メートル・・・」なんていう映画があったように記憶している。当時、風速40メートルというと、家が倒壊するようなイメージだった。最近の台風は瞬間最大風速が70とか60メートルで、風速は1.5倍以上になっている。そんな強風に慣れてくるのが恐ろしい。
 が、停電が各地で頻発している。現在ではデジタル化が進んで、電源がシャットアウトされると、すべてが停止して機能しなくなり、その被害は計り知れない。

 自然の脅威が減じたわけではない。例えば、山岳地域では台風が通過すると、いくら強度が増したとはいえ、テントなどはひとたまりもない。谷筋は豪雨で増水して、鉄砲水も発生する。そうなると下山は困難だ。
 今回の台風で、知り合いの山岳ガイドが、今年は休日や連休が悪天になって、山行のキャンセルが続いていると顔を曇らせた。
 アルプスにある山小屋も紅葉シーズンというのに、台風の影響で客足が遠のいているそうだ。
 かつてはキャンプといえば春のゴールデンウィークが最盛期だったが、いまは秋に移っているといわれている。そのキャンプやオートキャンプも、台風の影響をまともに受けていると思う。

 そんな状況ではあるが、一方で、台風の進路予想の精度が大変高くなっている。日本はもちろん、米国やヨーロッパもスーパーコンピューターで解析して、進路予想をはじき出している。昔は、直近にならないと判然としない印象があったが、いまは、遅くとも数日前には、かなりの精度でコースが予測されている。

 週末から日曜日にかけての3日間、安藤百福センターで立て続けにスケジュールを組んでいた。しかし、進路予想では台風の襲来はほぼ間違いなく、遠方からの出席者も多いことを勘案して、3日前にはある会議をキャンセルすることとなった。
 その会議予定の日曜日には、台風24号が大型のまま日本列島を吹き抜け、交通機関も多くが停止した。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員