− 第573回 − 筆者 中村 達
『ロングトレイルの歩き方 講座』 先日、安藤百福センターで「ロングトレイルの歩き方」講座が行われた。毎回テーマを変えて開講されている。今回はテーピングだった。山やトレイルを歩くと、思わぬアクシデントに遭って足を痛めることも多い。筋肉疲労、捻挫、じん帯の損傷などは経験したこともあるし、そんな症状に陥った人も大勢いると思う。 そんなときに役に立つのがテーピングだ。ただ、テーピングは基本からしっかり学ぶ必要がある。知っているようで知らないのがテーピングの技術だろう。 今回の講座では、実技も交えてのものだけに、予定より1時間以上もオーバーするという熱心さだった。 安藤百福センターは、青少年の自然体験活動の推進が事業の基本である。その中でも「歩く」を中核にしている。「歩く」は自然体験の原点であり、そのフィールドは野山だ。日本の場合、野山といえば大半が山岳地帯だ。その野山に整備されたトレイルを、単なるピークハンティングだけでなく、連続して山旅のように歩く道がロングトレイルと考えたい。 この「歩く旅」を普及・振興して、子どもたちに連鎖できればと思っている。そのためには、まずは大人たちにその意味と素晴らしさを、実感してもらう必要がある。 これまで山歩きといえば、中高年のトレッキングや健康のためのハイキングのイメージが強かった。それはそれで、大変重要であり意味のあることだ。 ところがロングトレイル、少なくとも安藤百福センターで開催している、ロングトレイルと名の付く、さまざまな講座やスクールでは参加年齢層が異なってきている。男性は30~40歳代、女性は20~30歳代が中心層だ。つまり、これまでの中高年登山者層とは、2世代は年齢層が若くなっている。職業はサラリーマン、教員、自営業など、現役で働いている人たちが多数を占める。 自然を楽しみたい、旅するように山を歩きたい・・・そんな指向が新たなムーブメントになってきたようだ。そのムーブメントが、子どもたちに子どもたちにも波及することを願っている。 (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー 安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員 |