![]() ![]() ![]() − 第567回 − 筆者 中村 達
『山の水』 少し前のお話しだが、あるアウトドアショップが登山教室を行った。募集したところ、たちどころに定員の30名が集まった。私も誘われて参加した。 中高年の愛好家だけでなく若い人達も参加して、賑やかな登山となった。 ところで私の場合、山では水は現地調達が基本だ。山の水はおいしいし、湧水であれば、飲んでもたいていは大丈夫と思い込んでいる。谷川の水も上部の状況や汚れ具合などを判断して、問題ないと思えばそのまま飲んでいる。ただ、その水質に関する科学的な根拠はなく、勘だけが頼りなのでお勧めはできない。 ![]() スタッフにたずねた。「ミネラルウォーターを担いできたの?山の水があるのに!」と言うと、「山の水は危ないですよ」と返ってきた。 理由を聞くと、最近はシカやイノシシなどの野生生物が増えて、水が汚染されている可能性があるので、山の水は使わないようにしている、ということだった。 山では美味しい水が飲めると思っていた私の常識は、この日から少し変化したような気がする。それでも登山や渓流釣りに出かけても、美味しそうな湧水があると、躊躇いなく飲んでしまうのは習性なのかもしれない。ただ、少し慎重にはなった。 ![]() アウトドアではいかにいい水、安全な水を入手するかは、常に重要な課題だと思う。 ※画像はイメージです (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー 安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員 |