− 第537回 −  筆者 中村 達


『秋はアウトドアは快適だが・・・』

 秋はハイキングには快適なシーズンだ。10月に入れば高い山々では降雪もあるが、近郊の低山やトレイルは紅葉も綺麗で、ブラブラ歩くのも楽しい。標高や地域によっても異なるが、低山では紅葉が終わる11月の末までが最も美しい。体感的にはセーターやフリースが着られる季節が過ごしやすいと思う。

 一方で、季節を問わず昨今では天候の急変や、ゲリラ豪雨が引き起こす鉄砲水などにも注意が必要だ。
 それに野生生物にも気をつけなければならない。秋は特にスズメバチやアシナガバチなどが活発に動き回るので、巣を見つけたら近寄らない、静かに避けて通る、などの回避行動も必要だ。子どもたちと一緒の場合は、いっそう注意しなければならない。

 また、熊の出没も頻繁に発生している。最近では山間部の過疎化が急速に進んで、野生生物と人間との境界線がなくなったとされる。そのため、いきなり熊やイノシシと出くわすのだそうだ。
 熊が人間を恐れなくなって、熊除け鈴も人間の居所を知らせているようなものだ、という話もある。熊に出会わないようにするには、まずは熊の出没情報のある地域には行かないこと。そして、単独で山を歩かない、出来るだけ多人数のパーティを組むことだろう。
 さらに、マダニによる被害も連日のように報じられている。出来るだけ肌を露出しない、忌避剤を使うなどの対策が有効とされている。山中ではダニは普通にどこにでもいると考えていい。
 と、ネガティヴなことを並べると、山を歩くのに躊躇してしまうが、対策さえ立てればさほど難しいことではない。ひとつひとつ解決して、危険を回避していくのも、アウトドアでの技術なのだ。
※画像は本文とは無関係です。

(次回へつづく)


■バックナンバー

■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員