− 第536回 −  筆者 中村 達


『第2回『山の日』記念全国大会in那須2017』

 8月11日山の日の記念全国大会が栃木県那須高原で開催され出かけてきた。今年は山の日が制定されて2年目で、記念全国大会も第2回となる。正式名称は「第2回『山の日』記念全国大会in那須2017」だ。
 会場となった那須文化センターは、午前九時にはおよそ1000人の観客で埋まっていた。
 記念式典では郷土芸能が披露され、主催者からあいさつのほか、多くのプログラムが組まれていた。私の印象に残ったのは、親子が那須の自然を歩く演技のシーンと、歌手の加藤登紀子さんと那須野が原少年少女合唱団による「山の日」コンサートだった。山の日は、子どもたちにこそふさわしい祝日だと思った。

 「山の日」が制定されてまだ2年目で、国民の間に広くその意味が浸透するには、まだ時間がかかるように思う。また、「山の日」は山に登る日と誤解されているような気がする。
 「山の日」は登山だけでなく、自然に親しむ場であり、健康体力づくりの場でもある。そして、何よりも自然の恩恵に感謝する日でもあるのだ。
 ただ、この国の国土は70%が山岳地だから、自然を親しむためには、山の要素が欠かすことができない。そして、山を主なフィールドとする以上、最低限の山の知識が必要だろう。特に昨今では里山でも、熊やイノシシなど危険な野生動物に遭遇することも珍しくはなくなってきた。スズメバチやマダニなどによる被害も報道されている。また、低山であっても道迷いによる遭難や、転倒による滑落など、山岳の事故も頻繁に発生している。

 子どもたちの自然体験といえば、とかくキャンプの野外生活がイメージされるが、「生活」だけでなく、山というわかりやすいフィールドでのアクティビティが有用だと思う。それには指導者には、最低限の山登りの知識の取得と技術の向上が望まれる。
 せっかくの「山の日」なのだから、山岳界だけでなく自然体験や環境教育界も、もっと積極的に参画してほしいと願う。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員