− 第531回 −  筆者 中村 達


『アウトドアでは肌の露出を避ける』

 梅雨が終わると、夏のアウトドアシーズンが到来する。キャンプが静かなブームで、スーパーや日用雑貨の量販店でも店頭に大型のアウトドア用品が並び、休日にはファミリー層が品定めをしている姿が見られる。
 登山用具専門店やアウトドアショップでは、夏山用品のバーゲンセールが始まっていて、中高年だけでなく若カップルたちも品定めに忙しい。人気ブランドの中にはすでに欠品もあるらしい。

 さて、国内の登山風景を見ていると、欧米のそれとは違う。着ているモノや装備類はさほど変わらないのだが、基本的に違うのはファッションスタイルだろうか。国内では熱中症対策もあって、帽子は必需品だ。また、長袖のシャツに長ズボンという登山者も多い。
 欧米では、ここぞとばかりに肌を焼こうと、半パンツ、Tシャツのハイカーが普通に見られる。帽子を被っている人も少ない。理由は肌が強いとか、角質が強靭とか諸説あるが、バカンスに出かけていたことの証明になる、なんていう穿った意見も聞いた。知人のニュージーランド人ガイドが、肌をたくさん出さないと、風を感じることが出来ない、とわかったような、わからないような説を唱えていた。
 それはともかく、国内では毎年今頃になると、マダニによる被害が報道されている。マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やライム病などにより、最悪の場合は死に至ることがある。マダニはどこにでも生息しているらしく、特に草むらや森の中などは要注意だ。つまり登山やキャンプなどのフィールドは、マダニの生息地でもあるのだ。
 マダニや蚊などに咬まれたり、刺されないためには、まずは肌の露出を出来るだけ避けることだろう。だから、長そでのシャツ、長ズボンとなる。そして、むやみやたらに草むらに入らないなどがあるが、キャンプサイトやトレイルは得てしてそんな場所が多く悩ましい。そして、虫よけスプレーなどの忌避剤を使うこと。(注:使用上の注意を参照する)
 テントや屋内に入る際には、肌や衣類にマダニがいないかチェックすることも大切だ。子どもたちには特に注意したい。(国立感染症研究所HPに詳しく掲載されている)
 となると、日焼け防止はともかくとして、国内では半袖、半パンツはやめた方がいい?
 しかし、増えつつある欧米からの来日ハイカーたちは、今年も半パンツ、Tシャツで山を歩くのだろう。やはりライフスタイルの違いが大きいという結論になるのだろうか。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員