- 第515回 -  筆者 中村 達


『スキー・スノボのこと』

 先日、東京の神田あたりに出かけてきた。かつて神田は、登山やアウトドアズ、そしてスキー店がひしめいていて、特に冬のシーズンともなれば、スキーヤーやスノーボーダーの若者たちでにぎわっていた。
 この日、それらしい買い物客はほとんど見られず閑散としていた。それに、すっかりスキーやスノボのショップが少なくなってしまった。
 そんな中「レンタルスキーあります」という看板が目に入った。スキーヤー人口の減少とともに、スキーやスノボは購入するよりレンタルで、というのが増えていると聞いた。かつて、レンタルスキーといえば、安価なもの、初心者用と称するものが多かった。中には、劣悪なものもあった。
 欧米のスキー場のレンタルスキーは、初心者から上級者まで、技術に合った用具、道具がラインナップされている。ようやくそれに見習ったのかどうかはわからないが、国内のレンタルスキーやスノボも、ずい分よくなったと言われている。遅きに失した感はあるが、ようやく時代のニーズに追いついたのかも知れない。

 京都や大阪でもスキーショップが激減している。中小の専門店は、その多くが姿を消した。だから、ワックスなどの小物を買うにも苦労する。ただ、ネットで容易に手に入るという側面もあって、いいのか、悪いのか・・・。

 もちろん、スキーやスノボの好きな若者たちもたくさんいる。彼らはスキーバスを利用することが多いとTVで報じていた。バス代、車中泊込み3泊3食付き、リフト券2日間付きで2万円を切るツアーもある。原価はどうなっているのだろう。
 来年は韓国で平昌オリンピック(ピョンチャン)が開催される。この冬季オリンピックを機に、スキーやスノボが再び盛り上がってくれることを願う。それにはスケートやジャンプだけでなく、アルペン競技の中継や番組が増えることもポイントだと思う。
※画像はイメージです。本文とは無関係です。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター センター長、日本ロングトレイル協会代表理事、全国山の日協議会常務理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、全日本スキー連盟教育本部アドバイザーなど。アウトドアジャーナリスト。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員