- 第494回 -  筆者 中村 達


『森の図書館 ~アートフェスで~』

 先日の週末、安藤百福センターで「アートフェス」というイベントが開催された。
 クヌギ、ナラ、ケヤキの森の中で、子どもたち向けのモビール作りや、数々の創作木工、ツリーハウス体験などの教室がおこなわれた。家族や大人向けには、コンサート、野点、トレイル歩き、マジックレッスンなどの教室。また、地元野菜やパンなどの食材、コーヒーの販売や、チキンラーメンにナッツ類を参加者がトッピングする、携帯食「トレイルミックス」も体験あり、およそ1300人もの参加者で賑わった。

 このイベントは、年2回春と秋に開催されていて今年で3年目となる。回を重ねるたびに参加者はもちろん、教室やイベント、そして出展者も増え、小諸市の恒例行事になりつつあるようだ。参加者は周辺の地域だけでなく、関東甲信越や東海地方からも訪れるようになった。

 私が楽しみにしているのが「森の図書館」だ。ほとんどが古書だが、自然、山、探検、冒険、登山、環境などをテーマにしたものが、木々の間に設えた書架に並ぶ。
 職業柄この種の本は目にしたり、読むことも多いが、この「森の図書館」で初めて手にするのもたくさんあり、店主の選択眼に感心している。古本屋さんなので、店主の目利きと見つけ出す努力に、毎回のことながら恐れ入る。

 このイベントがあるたびに、何冊か手に入れるのだが、今回は「極北の動物誌」(ウィリアム・ブルーイット 著 岩本 恵 訳 新潮社 刊)を購入した。店主が、その本はいいですよ。大変面白く参考になります、と薦めてくれた。新品同様なのだが古本だからリーズナブルで、何か得した気分になった。次回も楽しみである。
 たくさんの参加があった「アートフェス」だが、森の中なので不思議なほど静かで、ゆったりと時が流れていた。この空気感がとてもいいと思う。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター副センター長、特定非営利活動法人日本ロングトレイル協会代表理事、全国「山の日」運営委員、公益財団法人日本山岳ガイド協会特別委員、国際自然環境アウトドア専門学校顧問など。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員