- 第481回 -  筆者 中村 達


『降雪に期待…』

 ようやく例年並みの寒さになった。とはいえ、この連休に京都で新年会があり、寒いだろうとダウンコートを着て出かけたが、暑くなってフロントボタンをはずして歩いた。
 考えてみれば、まだ冬用のタイヤに変えていない。冬用タイヤに変えずに年を越したのは、何年ぶりだろう。暖冬といわれる年であっても、年末には必ず寒くなって、ギリギリになってもタイヤは交換した。

 成人の日に近くの公園の森を歩いた。歩きはじめて30分ほどで暑くなってきて、パーカーを脱いだ。ふと、植え込みに目をやると梅の花が咲いていた。いつもの年より、半月ほど早い。
 さらに、1時間ほど歩いて目的のポイントに着いた。馴染みのコースだ。その時には、すっかり汗ばんで、シャツ一枚になった。しかし、さすがに真冬だけに、休んでいるとすぐに冷えてきて、フリースを着てパーカーを羽織った。
 あたりを見回すと、あちこちにイノシシが餌を探して、掘り返した跡があった。彼らも餌の少ないこの時期は大変なのだろう。ただ、温かい冬なので少しは助かっているのかもしれないと、訳の分からない想像をしてみた。

 暖冬といわれて、スキー場も雪不足が深刻だと報道されたが、ここにきて少しは降雪があって、主なところは滑走可能となっている。それでも、例年より積雪量は少ないので、一部滑走可という表記も見られる。ただ、関西圏や北陸の一部はまだ雪不足が深刻だ。
 とは言え、シーズンはまだまだこれからだ。必ず降ると信じたい、冬物は在庫が多いようだし、冬山用品もバーゲンが始まっている。ある意味、チャンスだと考えたい。 時間をみつけて、ベースワックスをかけようと思う。ビンディングの調整もしておこう。雪山に出かける前にはスタッドレスタイヤに交換することになる・・・。と、願う。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
京都生まれ。アウトドアジャーナリスト・プロデューサー
安藤百福センター副センター長、特定非営利活動法人日本ロングトレイル協会代表理事、全国「山の日」運営委員、公益財団法人日本山岳ガイド協会特別委員、国際自然環境アウトドア専門学校顧問など。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルム、ネパール、ニュージランド、ヨーロッパアルプスなど海外登山・ハイキング多数。日本山岳会会員