![]() ![]() ![]() - 第392回 - 筆者 中村 達
『ロングトレイルがトレンド』 ![]() ヨーロッパのロングトレイルは、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道が有名だ。その記録は950年ごろにまでさかのぼる。現在も多くの巡礼者がこの道を歩いている。 ロングトレイルとして著名なのは、米国のアパラチアントレイルやジョン・ミューアトレイルだろう。アパラチアントレイルが踏破されたのは、1937年だから歴史としては浅い。また、米国のトレイルはレジャーやレクリェーションの色彩がつよい。こればニュージーランドのミルフォードトラックなども同じだ。 ![]() さて、国内にはレクレェーションや地域の活性化を目的としたロングトレイルが、整備され始めている。信越トレイルや高島トレイルがその代表格で、八ヶ岳山麓スーパートレイルや霧ヶ峰・美ヶ原トレイル、さらに北海道の北根室ランチウェイなども、観光や地域の活性化を目的にして設定された。また、塩の道や安藤百福記念トレイルも整備が進んでいる。 ![]() しかし、ロングトレイルは整備したからといって、すぐに大勢の人たちが歩いてくれるわけではないと思う。本来、道は歩くことによって、あるいはモノや人が移動することによって、長い年月をかけて作られてきた。人が歩いて道ができるのであって、道を作ったから歩くだろうというのとは少し訳が違う。 巡礼街道やお遍路の道、あるいはフットパスに見られるように、トレイルが定着していくには50年、100年単位の長い視点も必要だと考える。このトレイルを次の世代に、いかにして引き継ぐか、という認識も重要である。 (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 1949年京都生まれ。アウトドアジャーナリスト/プロデューサー 安藤百福センター副センター長、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構代表理事、NPO法人自然体験活動推進協議会理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。 |