![]() ![]() ![]() - 第384回 - 筆者 中村 達
『ダウンウェア』 ここ数年、ダウンウェアが日常着になったようだ。衣料量販店が5~6千円で販売して、大ブレイクしたようだ。それも数百グラムと非常に軽く、それでいて温かい。ひと頃のものに比べると、デザインもよくなったと思うし、カラーバリエーションも増えた。羽毛の機能も500フィルパワーを超える。街中でも、テレビのニュース番組などでも、同じようなダウンジャケットを着ている人を、多く見かけるようになった。 よく聞かれるのだが、このダウンでアウトドアは大丈夫ですかだ。もちろん大丈夫。まったく問題ない。ただ、山では薄手のものは、中間着として割りきったほうがいいようだ。 ![]() 思い出のあるダウンウェアだけに手放さずにいたが、何年か前、遊びにきたイギリス人のバックパッカーが、ほしいと言うのでプレゼントした。羽が抜けるがいいかと言うと、まったく問題ない、これで快適に過ごせると喜んだ。 当時のダウンウェアは、羽毛の品質は良かったが、布地や縫製が今のものに比べると劣っていた。脱ぐとダウンやフェザーが、下に着ているセーターにまつわりついた。テントの中で、羽毛が浮遊していたこともたびたびだった。 価格の安いものもあったが、フェザーの混合比率が高く、ところどころで羽の芯が生地を突き抜けて、外に飛び出した。それでもダウンジャケットは、防寒具のなかでは、飛びぬけて優れものだった。 ![]() しかし、実際に着るシーンはタウンが大半だろう。ダウンもまさに山から街にダウンしてきた。アウトドアより、街で着用する人の方が圧倒的に多い。アウトドアユースであったものが、タウンユースになった代表のひとつがダウンウェアだろう。 (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 1949年京都生まれ。アウトドアジャーナリスト/プロデューサー 安藤百福センター副センター長、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構代表理事、NPO法人自然体験活動推進協議会理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。 |