![]() ![]() ![]() - 第360回 - 筆者 中村 達
『テントはひとりで』 ![]() 穂高岳涸沢は昨年秋、多い日には1,000張り以上のテントが張られたそうだ。あまりにも多いので、途中で数えるのをやめたので、実際にはそれよりもかなり多かったしい。(前回のコラムでは、1,200張りと書いた) ところで、そのテントが3人用であっても、4人用であっても寝るのは1人が大半という。3人で来ても、4人のパーティでも1人に1張りが多いそうだ。だから、こんなにもテントが増えたという。涸沢のような比較的広いテントサイトであれば、無理をすればなんとか張れるのだろうが、アルプス山上のテントサイトは狭いところも多いので、果たしてどうなるのか。 プライバシーを確保するという気持ちは、わからないでもないが、一方で、高山植物などの宝庫だけに、自然環境が保たれるのか少し心配ではある。 ![]() また、ゲレンデしかしらないスキーヤーに、バックカントリースキー(山岳スキー)をしっかり指導すると、嬉々として楽しんでくれた、という登山家からの話もあった。若者たちにも技術を教えれば、アウトドアアクティビティのフィールドは大きく広がる、という趣旨の発言だった。そんな機会を増やすことも課題だと思う。 ![]() この夏は、久しぶりにテントを持って山に登ろうか。そんな心境になった。 (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 1949年京都生まれ。アウトドアジャーナリスト/プロデューサー 安藤百福センター副センター長、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構代表理事、NPO法人自然体験活動推進協議会理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。 |