![]() ![]() ![]() − 第343回 − 筆者 中村 達
『今年のアウトドアあれこれ』 今年は東日本大震災があって、自然活動やアウトドアズも大きな影響を受けた。大震災から数ヶ月間は、それどころではなかったことだろう。東京周辺の自然学校や野外活動団体も、春休みの事業が中止や規模の縮小となったところが多い。 関西からの修学旅行も、行き先を東京から西日本方面に変えたため、関東地域での自然体験活動の学校需要は激減した。 多くのスキー場は、営業中止か規模の縮小を余儀なくされた。さらに大震災の直後に発生した、長野県北部地震の影響で、長野県や新潟県のスキー場は開店休業状態や早期閉鎖に追い込まれた。赤倉のペンションのオーナーが、キャンセルがあいつぎ、その理由のひとつに、「新潟には柏崎の原発がある」というのもあったと頭を抱えていた。 外国人観光客は激減し、例年なら東アジアから大勢の観光客でごった返す春の立山も、今年は閑散として静かだった。 夏は天気の悪い日が続き、山小屋や山岳観光地ではキャンセルが数多く発生した。ただでさえ自粛ムードなのに、悪天が追い討ちをかけた格好だ。 こうしてみると、自然体験活動もアウトドアズも、仕方がないとはいえ、低迷していたようだ。私も含めて、遊んでいる場合かという心理状態だったのではないか。 一刻も早い復興を願うばかりだ。 一方で、トム・ソーヤー企画コンテストの速報でもうかがえるように、ようやく夏になって活発な自然体験活動が、全国的に行われるようになった。 天気が悪かったとはいえ、今年は山登りにテント泊が増えた。昨年対比で2倍、3倍という北アルプスのテントサイトもあったと聞く。もちろん、山ガールたちも健在で、山ボーイも増えつつある。 やや手前味噌だが、ロングトレイルの協議会も設立され、来年はロングトレイルの「歩く旅」がブレイクするという予想もある。 安藤百福センターでは、自然体験活動指導者が日本山岳ガイド協会の認定自然ガイドの取得ができる研修会に、多数の応募があり定員を大きく上回った。そのため、締め切り1ヶ月前に早々と募集が打ち切られた。数少ない職業的資格のひとつだ。この種の資格の取得者が増えれば、この国の自然体験活動とアウトドアズは、大きく変貌する予感がある。 来年はどんなアウトドアズができるか。ツアー用のスキーブーツも新たに手に入れたことだし、2年間連続してホワイトアウトに見舞われた黒部湖までのダウンヒルは、ぜひ来年もトライしてみたい。通販で購入したパックも袋に入ったままである。このパックを担いで、国内外のロングトレイルが歩けないかと、夢想している。 (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 1949年京都生まれ。アウトドアジャーナリスト/プロデューサー 安藤百福センター副センター長、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構代表理事、NPO法人自然体験活動推進協議会理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。 |