![]() ![]() ![]() - 第332回 - 筆者 中村 達
『雨男になった今年の夏山』 ![]() ガスで視界が悪く景色が全く見えない日もあって、自分の位置は勘に頼るしかない。こんな時は、高度計付きの腕時計が役に立つ。GPSがあればなおいいのだろうが、高価なので購入するかどうか、まだ躊躇したままだ。 ![]() 雨を予想していたので、直前に防水デジカメをネットで購入した。雨の中では確かに便利ではあるが、豪雨の中では、正直なところスナップ程度しか写す気にならなかった。横殴りの雨で、ガスが立ち込めていれば写真どころではない。 ![]() 山小屋にはたいていは乾燥室もある。こんな日には、乾燥室はレインウェアや濡れた衣類が、所狭しと干されている。自分の干し場を確保するのが結構大変だ。赤や青、黄色などよく似た色ばかりなので、取り間違いもあるらしい。が、ともかく濡れたものは完璧に乾かせるのでありがたい。 ![]() ある山小屋でふと見ると、売店の棚にカップヌードルが置いてあった。それも最上段。ビールや日本酒、ジュースなどよりも上であった。なんだか堂々としていて、誇らしくもあった。こんな日には、温かいカップヌードルがうれしい。 多くの登山家や探検家も、厳しい環境下で、このカップヌードルで人心地ついたのではないか。そんなことを思い浮かべながら、スープをすすった。 春から数えて、私の北アルプス登山での連続悪天(吹雪、雨)記録は、10日となった。雨男と揶揄され始めたらしい、 (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 1949年京都生まれ。アウトドアジャーナリスト/プロデューサー 安藤百福センター副センター長、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構代表理事、NPO法人自然体験活動推進協議会理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。 |