![]() ![]() ![]() - 第302回 - 筆者 中村 達
『栂池の紅葉』 10月の半ば、毎年恒例となっている栂池自然園の散策に出かけてきた。今年の紅葉は遅いという予想で、期待はしていなかった。しかし、さすがに1800mの標高ともなると、すばらしく色づいていた。ダケカンバや白樺の葉は、すでに風に飛ばされていたが、ミズナラやブナの黄葉は美しかった。 時折、雨混じりのあいにくの天候だったが、大勢の観光客が訪れていた。ここ20年ほど、毎年のように来ているのだが、その間、観光客の風景はずいぶん変化したように思う。 アウトドアファッションがカジュアル化して、それなりのいでたちの人が多かった。パーカーにディパック、トレッキングシューズというのが、この地でも定番になったようだ。 ![]() ![]() 白馬山麓を訪ねて、アルプスの連山を見ても、どの山が白馬岳なのかわかりにくいものだ。私が同行者に、山の名前や尾根の呼称を説明していると、聞き耳を立てているオヤジたちがいる。大雪渓を見て、白馬岳の主稜や杓子岳の東稜のことを話すと、横にいたオバサンがうなずいていた。 自然は年をとっても、私たちの好奇心を刺激してくれる。だから自然体験は、老若男女を問わず大切だ。手軽に自然を解説してくれる、インタープリテーションの制度が充実してくれれば、この国の観光振興にとっても大きな力になると思う。 ![]() (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 1949年京都生まれ。アウトドアジャーナリスト/プロデューサー NPO法人自然体験活動推進協議会理事、国際自然環境アウトドア専門学校顧問、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構副代表理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。 |