− 第229回 −  筆者 中村 達


『広葉の北八ヶ岳を歩く』

 紅葉を見に北八ヶ岳周辺を歩いてきた。天候にも恵まれたので、今年の美しい紅葉を堪能することができた。ミズナラなどの落葉広葉樹はすっかり色づいていた。
 八ヶ岳周辺は道路がよく整備されているので、車を利用するならアクセスはかなりいい。標高1,500mあたりまで車で行けるので、アプローチは短い。これがいいのか悪いのかは別問題ではあるが・・・。また、トレイルや登山道などもよく整備されているので、初心者やファミリーからベテランまで、それぞれのレベルに合わせて、ルートを選択できるのも利点だろう。

 北八ヶ岳も蓼科あたりは混んでいるのだろうと想像したが、それほどでもなかった。白樺湖も観光シーズン真只中とういうのに、混んでいる風には見えなかった。聞くところによると、観光客も山にあがる傾向だそうだ。見る、食べる、寝るだけの観光から、何らかのアウトドアアクティビティをスケジュールに組み入れる傾向が見られる。これを1990年代の米国では、アドベンチャートレベルと言った。10年ほど遅れて日本もそうなったのか・・・?
 トレッキングルートの基点となる駐車場は、どこもかも車で溢れていた。私たちも宿泊したペンションのオーナーに送ってもらわないと、駐車場探しに苦労したことだろう。トレイルもファミリーや中高年者が大勢歩いていた。若い人たちも多かったが、中でも女性のグループが目立った。前回のこのコラムでも書いたが、若い女性の山への進出が著しい。ちょっとしたブームなのだ。

 金融不況が消費マインドを冷え込ませているが、不況になるとアウトドアズが元気になる。これは、欧米のアウトドア業界がいつも言っているフレーズだ。ニュージーランドのガイドが、「オレ達はお金がかからないトレッキングが大好きだ!」と語っていた。トレッキングは、さほどお金はかけなくても自然が楽しめ、健康にもいい。私たちにとっては当たり前のことだが、好況になってもこのムーブメントが続けば、この国の自然体験も盛り上がるのではと、密かに期待している。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
1949年京都生まれ。アウトドアジャーナリスト。
NPO法人自然体験活動推進協議会理事、国際アウトドア専門学校顧問、NPO法人比良比叡自然学校常務理事、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。