![]() ![]() ![]() − 第220回 − 筆者 中村 達
『夏休みと富士登山』 夏休みを直前にして、京都にある登山とアウトドアショップを数軒のぞいてきた。どのショップもよく賑わっていた。バーゲン中のショップでは駐車場が満車で、しばらく待たねばならないほど混んでいた。こんな光景を見るのは久しぶりだった。不況の影が忍び寄っているといわれているが、アウトドアは意外に頑張っていた。米国では不況になるとアウトドアは元気になるといわれている。アウトドアで遊ぶのはさほどお金がかからないというのがその理由だそうだ。 雰囲気としては、登山専門店は30歳代から60歳代。アウトドアショップはファミリー層が中心というのが見た感じだ。親子連れが子ども用のパック選びに夢中になっている姿が印象的だった。 夏の富士登山は技術的には決して難しくはない。素人でも体力さえあれば登れる。ただ、標高が高いので、人によっては登山口の2,500m付近でも高山病の症状が出てくる。3,000mあたりになると、ボーっとしたり、軽い頭痛になったり、吐き気をもよおすこともある。3,500mを越えると、息が切れて空気の薄さを感じる。登るスピードも一段と落ちてくる。もちろん個人差は大きいので、これがすべての人に当てはまるわけではない。高山病は高度に慣れてくれば、症状は軽減したり、回復することが多いので、うまく順化することが必要だ。また、高山病には携帯酸素ボンベは有効だと思う。酸素だから軽いし、価格も500円程度とリーズナブルだ。 また、子どもたちや高齢者の場合は、決して無理をせず、出来れば途中の山小屋で仮眠をとるのがいいと思う。山小屋は登山道に沿ってたくさんあるが、最盛期はすし詰め状態になるので、予約しておいたほうが安心だ。 とは言うものの、なぜ登山店やアウトドアショップが富士登山なのかよくわからない。ニーズがあるのか、富士登山をきっかけに登山を盛んにして顧客を増やそうとしているのか、意図はよく分からない。ただ、日本人なら一度は登ってみたいのが富士山だ。山頂から見える景色は、まさに絶景だ。それに世界自然遺産になれない理由もよく分かる。 私も数えてみると8回ほど夏の富士山に登っている。しかし、仕事でもない限りもう登ってみたいとは思わない。一方で、北アルプスの剣岳などは数え切れないほど登っている。それでも、また登ってみたいのと思っているが不思議である。 (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 1949年京都生まれ。アウトドアジャーナリスト。 NPO法人自然体験活動推進協議会理事、国際アウトドア専門学校顧問、NPO法人比良比叡自然学校常務理事、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。 |